【ケアフード】2020.2.14 介護業界でも注目のケアフード、展示会に行ってきました

ケアフードの新商品も続々登場
介護施設で役立つ新商品の展示会「ケアテックス2020」

飲み込みやすく、食べやすいケアフード。療養食としてだけではなく、介護食としても注目を集めています。
東京ビッグサイト(国際展示場)で開催された介護用品や設備、サービスの新商品を紹介する展示会「ケアテックス東京」に行ってきました。ここでも、ケアフードをはじめとするやわらかい食事や、きざみ食、ペースト食などを扱う企業が多く出展していました。

介護施設での食事提供はもちろんのこと、近年は在宅介護をサポートするサービスも充実しているのに伴い、配食サービスやホームヘルパーが訪問先の家庭で作りやすい半調理品、冷凍食品なども増えていました。線維が多く含まれるレンコンやお芋類を形を崩さずに、スプーンでほぐせる固さまで柔らかくしたものや、揚げ物、お漬物、デザートまで種類も豊富です。どれも栄養機能を維持しながら、食べやすく美味しく加工されているものが目立ちました。

また、正月のおせち料理やお雛祭りなどの行事に合わせた行事食も彩や形を工夫して、華やかな食卓を演出できるプレート料理、セット商品も人気を集めていました。

介護施設での給食サービスは、近年は人手が不足しており、野菜をカットしたものや、魚や肉も加熱するだけで済む半調理品の需要が高まっています。参加者は、味や見た目にもこだわった調理素材をじっくりと吟味しました。

料理研究家・介護食アドバイザー 保森千枝さん
「クリコ流ふわふわ介護ごはん」を紹介
専門セミナー

会場内で開かれた専門セミナーに参加しました。
料理研究家・介護食アドバイザーの保森千枝さんの講演「食べる人も笑顔になる、希望の介護ごはん」です。
ご主人のがん闘病をきっかけに介護食を作り始めた時の苦労や試行錯誤のエピソードを語りながら、手軽にできて、美味しい介護ごはんの調理方法を紹介しました。

豚肉や牛肉などのひき肉とすりおろしたジャガイモ、マヨネーズ、麩を使ったふわふわお肉の混ぜてストックできるようにシート状にしたものを作り、トンカツや肉団子などに応用できるレシピを紹介。エビやホタテのすり身を使い、エビの形に再成型してフライやエビチリ、グラタンなどの料理に仕上げる技を説明しました。野菜のピュレも、素材別に作って小分け冷凍すれば、必要な時に解凍してスープなどに応用できるとのこと。見た目にもこだわった介護ごはんの数々が印象的でした。

保森さんは、街で一人で外食したり、スーパーで総菜を購入する高齢者の姿が多いことに気づき、レストランのサービスや総菜調理の過程で、高齢者や療養者がもっと食べやすく食事を楽しめる工夫の必要性を感じたといいます。「介護食作りをもっと楽しく、楽にできるようにし、家庭料理と介護食との間の垣根を取り払いたい」と強調しました。

お話を聞いて、当法人がこの10年間、患者さんと試行錯誤しながら取り組んできたケアフード開発・普及事業と重なり合う部分も多く、療養中や介護の中での食べることの重みを改めて感じたセミナーでした。「食べたいものをいかようにもして召し上がっていただく」、患者さんの笑顔を引き出すケアフードの開発、普及に向けて身が引き締まる思いでした。