【ステイin千葉を楽しもう!】第5回 25周年でリニューアルした千葉市美術館。記念・企画展「どうぶつ大行進」に大人も子供もワクワクが止まらない。

千葉市の真ん中にある千葉市美術館。これまで、「中央区役所のところにある美術館」という枕言葉をつけて呼んでいた方も多いのではないでしょうか。今年7月、拡張して丸ごと全部美術館に生まれ変わりました(昨年5月より、中央区役所はすぐ近くのきぼーる11階に移転しました)。古代ギリシャ・パルテノン神殿のエンタシスを思わせる入口の太い柱や、重厚な雰囲気に包まれれているさや堂ホールもこれまで以上に魅力的に見えて、美術館のコレクションの秀逸さを物語っています。猛暑の夏ですが、静かで涼しい館内を巡るうちに気持ちもとても落ち着きますよ。

今回は、美術館巡りが大好きな当法人常任理事・元千葉県がんセンター看護局長の大西眞澄さんのエッセイと写真で千葉市美術館の見どころをご紹介します。

第5回 千葉市中央区役所が丸ごと美術館にリニューアル
菱川師宣、歌川広重から竹久夢二、そして草間彌生までコレクションが半端ない!
家族で楽しめるアトリエやライブラリー、カフェも充実

7月11日(土)に千葉市美術館がリニューアルオープンしました。これまで中央区役所との複合施設であったフロアを改修し、建物すべてが美術館になったのです。

第一弾の企画展「帰ってきた!どうぶつ大行進」
室町期~昭和、暮らしの中の動物と人々の関わりを絵画や版画で

この拡張リニューアルと開館25周年記念の企画第1弾として「帰ってきた!どうぶつ大行進」が7Fと8Fの企画展示室で開催されています。(2020年9月6日まで)江戸時代からの絵画や版画を中心に、室町から昭和の時代まで、多彩な動物が描かれ、その生き物のいる自然の中で共に生きてきた日本人の姿が感じられます。この企画展示の関連として、参加型のラリー“ますます☆展示室でどうぶつ探し!”があり、挑戦してきました。ワークシートの絵とぴったり同じどうぶつたちがいる作品番号をチェックし、全部(29個)見つけるまで7Fと8Fをグルグル行ったり来たりしてしまいました。そのおかげで絵をじっくり見ることが出来ました。

常設展 コレクション10,000点から選りすぐりの名品を一同に

新しくできた5Fの常設展示室では、「千葉市美術館コレクション名品2020」が開かれています。コレクション約10,000点の中から選ばれたものがハイライトで展示されており、見ごたえがありました。

- 美人画百花・描かれたひとびと -では、
例えば、喜多川歌麿「納涼美人図」、歌川広重「東海道五十三次之内 庄野」、葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」などが。他にも、菱川師宣、歌川豊国、鈴木春信、溪斎英泉、竹久夢二、橋口五葉、伊藤深水などの作品が見られます。

また、- 1945年以降の現代美術 -では、草間彌生の特集で、12点もまとめて観ることが出来ました。

 

さや堂ホール 建築の美にも注目を

そのほか、新しくできた場所には下記があります。
1階 さや堂ホール
(ネオ・ルネサンス様式という西洋古典建築の、重厚な雰囲気を持つ美術館を象徴するスペース)

4階 子どもアトリエ(つくりかけラボ)
図書室(びじゅつライブラリー)
市民アトリエ

こんな近くに素晴らしい美術館がある幸せをみなさまもぜひ感じ取ってください。

千葉市美術館公式サイト

【豆知識】
千葉市美術館は、1982年3月 千葉市新総合計画で、優れた芸術作品の鑑賞や、自主的創作活動・発表の場としての美術館の建設準備を始めることが示され、1995年11月3日に開館しました。
美術館の骨格を形成するコレクションの収集方針 3つの柱は下記です。
〇 近世から近代の日本絵画と版画
〇 1945年以降の現代美術
〇 千葉市を中心とした房総ゆかりの作品

これらの中で、1985年に千葉市が購入した今中宏コレクション(溪斎英泉の浮世絵)は、世界でも指折りのものと聞いております。いつの日か、この溪斎英泉のものをまとめて観ることが出来るのを楽しみにしています。

思わずスマホを取り出し、撮影したくなるスポットも満載!
一階のカフェやミュージアムショップもおすすめ

1階カフェ。大きな窓からは街路の緑がきれいに見える