【ステイin千葉を楽しもう!】第7回 江戸時代にタイムスリップ! 佐倉に“京都嵐山”風の竹林あり。武家屋敷、医療発祥の地・順天堂記念館も巡る旅

withコロナの生活にも少しずつですが慣れてきました。GO TO トラベル、GO TO イートなどのキャンペーンも始まり、旅行も食事も解禁といったムードも強くなってきました。でも、ちょっと気を緩めると、感染者数がぐっと増えてしまい、治療を続けている患者さん方はなかなか思い切って遠出しようという気になれないかと思います。お得情報を手に入れて、覚悟を決めて飛行機、新幹線でがっつり旅行に行くのもいいけれど、近所や近場で新しい発見をして楽しむ方法もありますよ。

この「ステイin千葉を楽しもう!」、ご近所discoveryシリーズも、おかげさまで好評をいただいているので続けてみたいと思います。第7回は「佐倉城址」です。千葉市在住の写真家・飯田隆志さんの写真とエッセイでお送りします。

第7回 佐倉の竹林と武家屋敷、江戸期の風情を味わう。
自然の素材を取り入れた日本らしい家屋の写真撮影に挑戦

佐倉の武家屋敷近くに竹林に囲まれ趣のある古路が存在すると聞き、ネット検索して出てきたのが「ひよどり坂」竹林といえば京都の嵐山がパッと思いつきますが、はたしてそこまで見応えがあるのか?
その答えを求めに行ってきました!

竹林の撮影では、三脚と広角レンズを必携
薄暗いぐらいがちょうどいい…

本題を進める前にちょっとだけ機材のお話を……
竹林や林の中で撮影するときは、たとえ晴天時でも結構暗かったりするので拘る方は三脚を用意した方が何かと安心です。(カメラの感度を上げても手ブレする可能性があります)
これはスマホやコンパクトカメラでも同様で、暗いところでのブレの軽減には三脚は必須かと思います、パッとみは綺麗でも拡大するとブレてたなんて事もよく耳にします。
それともし所有しているなら、かなり広めの広角レンズがあると良いかと思います。

ということで今回はいつもの標準形ズームにワイド系ズームと三脚を加え出掛けます。

先ずは武家屋敷の駐車場に車を停めひよどり坂へと歩きます。
歩くと言っても、ほぼお隣にあるのですぐに到着、ここから坂を下って行きます。
ちょうど真ん中辺りに緩く曲がる箇所があって、そこに縁台が置いてあります。
縁台近辺で上を見上げると、竹の間から空が見えて面白い絵面になっていました。

佐倉の竹林

まっすぐ伸びる竹の間から見える空と木漏れ日が美しい

そんなに長くない坂ですので、すぐに登り口まで下り切ってしまいます
振り返ると現代日本にそぐわなそうな看板が立っています(でも外国語表記もあるからしっかり現代風か?)

佐倉の竹林看板

ひよどり坂の入り口。趣のある立て札

訪れたのが6月頃ということもあり、上り口横には、花びらの形が立体的にぷくっと丸くなっている紫陽花が咲いていました。後で調べたところ、「おたふく」とか「ポップコーン」とか呼ばれる品種らしいです。

仰ぎ見る坂道は下って来た時とだいぶ印象が違うように見えますが、自分的にはここからが本番!
どこが自分のイメージに一番近いかゆっくりと歩きながら探します。
だいたいここだろうという場所が見つかったら、体を上下させて高さも確認。
ここぞって位置が見つかったら、構図を確認しつつ露出もチェックし撮影。
気になるようであれば明るさを変えて何枚か撮ります。
竹林などはカメラ任せでも綺麗に撮れますが個人的に多少暗めの方が雰囲気があって良いと思います。

佐倉の竹林道

竹の小径を抜けると、江戸期へタイムスリップ!

佐倉の竹林道位置を変え構図を変え、縦横も変えてみたりしつつ坂道を登ります。
短いのですぐに終わってしまいますが、それなりに趣があって良いところでした。
(季節によって虫が多そうなので苦手な方はご注意ください)

佐倉市公式ホームページ「サムライ古径ひよどり坂と武家屋敷通り」

竹林を抜けて、武家屋敷群へ
日本家屋の光と影のコントラストを体感

坂を上りきると右手に大聖院というお寺さんがありますが、パッと見魅力を感じなかったのでスルーして武家屋敷の方へ。最初にあるのが「侍の杜」ここは無料ですが入れるのは家屋の周りのみで庭や井戸などが見学できます。

しかし洋の東西問わず古い建物大好きな自分としては物足りないのでさらにお隣へと進みます。
次は旧武居家・旧但馬家・旧河原家と3棟続きますが、三棟まとめての有料施設で窓口にて拝観料を払うのですが、ここで他の施設との共通券がありその方がお得だと説明を受けまして
予定には無かったのですがついでに行って見ようと思い共通券を購入
お得って言葉にとても弱いんですよ…。

日本家屋

光と影のコントラストが美しい日本家屋

旧日本家屋は住んでいた方の階級によって大きさや間取りに違いがあって面白いですし、何より光と影のコントラストが素晴らしい!!
茅葺きの軒に苔や雑草が生えているのも旧日本家屋ならではかと。
屋内にはそれぞれ歴史的な展示物があったりしますし、最近まで使われていたことを示すものも残ってたりするので、なかなかに見応えもあります。
屋内を堪能した後は周囲を廻ります、要所要所に武家屋敷にそぐわないものを発見。
火災時の放水器なのですが、これまた随分と古そうだし今まで見たことないしフォルムが面白いしで撮影してしまいました。
(機械類も好きなのよね~。好きなものが多すぎてなかなか1本に絞れません!!)

佐倉市公式ホームページ「佐倉武家屋敷 旧河原家、旧但馬家、旧武居家」

現代医療発祥の地、佐倉順天堂記念館
当時の医学書、医療器具…庭園も見事

次にやって来たのが佐倉順天堂記念館、現代医療発祥の地なんじゃなかろうかと思います。
現在は1858年に建てられた建物の一部が残り、当時の順天堂で用いられていた医学書や医療器具などが展示されています。
ただ、残っている部屋数も両手で数えてお釣りが出るくらいだし、展示物が多く撮影禁止が殆どなので思うように撮れません。
展示物は興味をそそられるものばかりでしたが、一般にはどうだろう?苦手って思う人の方が多いんじゃないかなとか思ったり……。

佐倉市公式ホームページ「佐倉順天堂記念館」

昭和中期ごろまでに生まれた人ならば懐かしいカギを発見!
よーくこんなんで戸締りになったな~と今となっては感心します。

かぎ

懐かしい鍵。ギコギコ回す音が聞こえてきそう…

佐倉藩主の旧堀田邸、さくら庭園
さすが藩主のお屋敷、部屋数の多さと広~い庭園にちょっと戸惑いも

さて、突発的に始まった史跡巡りも最後の拠点、旧堀田邸へとやってまいりました。
なんでもここは最後の佐倉藩主であった堀田正倫(ほったまさとも)が、明治23年(1890)に旧領である佐倉に設けた邸宅・庭園だそうでして。

堀田邸

その庭園部分は、「さくら庭園」として常時無料開放されていて、自由に見学・散策できるそうです。
庭園は後にまわして先ずは家屋から見学します、実は正直な気持ちを白状すると先の武家屋敷が意外とこじんまりしていたのであかり期待していなかったのですよ。
しかし、さすが元藩主の邸宅だけあって広いわ部屋数多いわで見応えたっぷりです!!
一般開放日なので入れない部屋(例えば二階とか)があるのが残念です。
あとね、惜しいことに結構あちこちに案内看板立ってたりして思いの外撮れそうなところ少ないのよ。
満足できる一枚が撮れたからいいけどさ……。

広ーい座敷も

家屋を出て庭園のほうに回ります。
仕切りとなる木々を抜けて目の前に広がった景色にあんぐりと口を開けてしまいました!
その庭園の広いこと広いこと!!ゴルフのショートホール1個くらい作れるんじゃないかと思うほど。
(ゴルフやらないから確証は無いけど)
元々の自然の地形を活かしたのでしょうか、適度な起伏がある中に石や植樹が配置されています。
位置的には千葉県印旛合同庁舎の横手にある高台で、木々の間から垣間見える田園地帯の景色もよかったです。
これで木が無いとかもっと低いとかだど見晴らしよくてもっといいのでしょうが、逆に木々に囲まれていてプライベート空間って感じもありこれはこれで良いな~とか思ったり。
気ままに散策するも良し、広い芝生の上でゴロゴロするも良しですが、日陰がほぼ無いので日差し強いときは体調の変化に気を付けて下さいね。

佐倉市公式ホームページ「旧堀田邸とさくら庭園」

自分は車で回りましたが、全てに駐車場もあり(一部3台だけしか停められませんが)不便は全くないです。
ただ、これも個人的意見ですが自転車や徒歩で回った方があちこち寄り道できるのと、決して車では気付かない小さな発見があると思うんですよ。
歩くのはかなりの健脚な方でないとしんどいでしょうし、駅前にレンタサイクルがあるという保証もないですけど、1日かけてゆっくりと回る旅を楽しむのは如何でしょうか。