平成30年度 患者会・患者サロン活動支援助成事業 活動報告

患者会・患者サロン活動支援助成事業
平成30年度 活動報告

千葉県内で活動するがん患者団体や、がん診療連携拠点病院等に設けられた患者サロングループの活動を支援しています。平成30年度は、千葉肝臓友の会、京葉喉友会、NPO法人支えあう会「α」、千葉県オストミー協会、ちばグリーフサポート、市民ボランティアグループ「金平糖」、千葉市生涯学習ボランティアの会「タオル帽子」の7団体のほか、継続の千葉県がんセンター患者サロンを含めて8団体を支援しました。各団体の活動内容を紹介します。

京葉喉友会

(助成額 10万円)

京葉喉友会は、喉頭がんや食道がんを患い喉頭摘出などで声を失った方が集い、発声練習をしたり、親睦を深める活動を続けています。特徴的な活動としては、千葉県から「音声機能障害者発声訓練事業」の委託を受けて、声を失った方の発声講習会を毎週開いています。年間40回を超える講習会には、県内各所から毎回約80人が参加します。

今年度は、10月1日~3日の3日間、喉頭摘出者団体のうち東日本ブロックの集合研修会、交流親睦会に参加しました。今年は、茨城県「茨城甦声会」が開催担当で、つくば市で開催されました。京葉喉友会からは8名が参加しました。研修では、リオ五輪パラリンピックのボート競技日本代表として出場した選手による講演「障害者になって得たもの」、日喉連会長による講演「食道発声の原理と実際」が行われました。食道発声の基礎について改めて復習することができ、現在の指導方法の見直しや今後の方針を組み立てるのに大いに役立ちました。

京葉喉友会の発声講習会について ホームページ(外部)

千葉肝臓友の会

(助成額 10万円)

千葉肝臓友の会は、肝臓病患者さん(主にウイルス性肝炎)の親睦・交流・情報交換を目的とする患者団体です。医療相談会、講演会を開催したり、電話や面談によるきめ細かい相談にも応じています。このほか、新治療技術や治療薬の開発、治療体制の整備、保険適用範囲の拡大について、患者さんの要望を国の政策にも反映させるための請願活動も行っています。自治体や保健所にもていねいな働きかけを行い、行政と連携しながらよりよい治療を続けられるような仕組みを考えています。

今年度の助成金を活用して、医療相談会や会員交流会を開きました。肝臓病専門の医師を講師に招いた講演会や病状についての相談会を設けました。新薬を使った治療対策、最新の飲み薬を使った肝臓がん予防対策などをテーマにを取り上げ、理解を深めました。

  1. 平成30年6月10日(日)13:30~16:00 船橋市本町4丁目自治会館1階
    参加者24名
    矢野光雄先生(アドバイザー)を囲んで、肝がん防止、新薬の治療対策についてアドバイスをいただきました。特にC型肝炎ウイルス排除後の定期検査の必要性について強調されました。篠田副会長が「経口薬の進化と適用動向」について最新の新薬状況を解説・説明しました。
  2. 平成30年12月9日(日)13:30~16:00 船橋市本町4丁目自治会館1階
    参加者23名
    矢野光雄先生(アドバイザー)から、増加傾向にある「脂肪肝」についての講話をいただきました。日常生活の中での食事・運動・栄養などの大切さを分かりやすくお話いただきました。交流会・相談会では、会員さんから「友の会の会報「さわやかさん」を読んでしっかり勉強して治療に役立てた」というお話があり、一同感激しました。治療費助成制度の説明も行いました。
  3. 公開講座(平成30年5月:佐倉地区、平成30年11月:柏・東葛地区)
  4. ホームページ発信:平成30年度345,000件(月平均29,000件)

千葉肝臓友の会 ホームページ

NPO法人 支えあう会「α」

(助成額 5万円)

支えあう会「α」は、がん体験者を中心に、医療関係者、がんに関心を持つ人達が集まって交流を深めています。がんの部位や立場は問いません。病気を抱えながら生きることの難しさやそれを支えることの困難さに共感し合い、各人が「自分らしく納得して最後まで生きる」ことを目指して、仲間同士で支え合う活動を続けています。“がん”を体験しなければ、決して出会うことのなかった人たちが、職業や地域、世代、価値観を超えて集い、生老病死を語り合う場。生きにくさや苦悩を分かち合い、励まし合いながら改めて命と向き合い続けています。

  1. 親睦交流会
  2. セルフケア事業
  3. イベント事業
  4. 相談支援
  5. 医療情報提供事業
  6. 目的達成に必要な事業

の6つの事業を行いました。イベントや相談援助は、年々一般からも参加者が増えています。イベントの一つとして開催している「連続講座」は4割近くが一般参加者で、相談支援事業である患者サロンの参加者も4分の1が一般参加者です。千葉県がん情報サイト「がんなび」に定期的にイベントのお知らせを掲載し、情報提供していることが影響していると思われます。

医療情報提供として、α通信を年4回発行し、連続講座の内容を掲載しています。講演会に参加できなかった方も、リアルに詳しい内容を知るきっかけになっています。ことで、継続的な患者支援を行っています。オールジャンルで、幅広くがん患者さんやご家族が治療に理解を深め、前向きに取り組んでいけるようにと会員やサポーターがきめ細かく対応しています。

支えあう会「α」のホームページ

千葉県オストミー協会

(助成額 5万円)

千葉県オストミー協会は、公益社団法人  日本オストミー協会の千葉県支部として発足しました。大腸がん、膀胱がんなどにより人工肛門、人口膀胱の保有者となった方が安心して暮らせる社会を目指すことを目的とする障害者団体です。治療や社会復帰、QOLの向上を図るための様々な活動を行っています。講演会や勉強会、交流会のほか、オストメイト対応のトイレの普及などを進めています。

千葉県社会福祉センター内の事務所で、週3回の「サロン」を開催(平成30年度は156回開催)。オストメイトの悩みや日常生活についての情報交換を行っています。電話相談も受けています。隔月で会報も発行しており、サロンへの参加を呼び掛けています。会報は、病院や皮膚・排せつケア認定看護師、装具店、市町村障害福祉課へも発送して周知をお願いしているせいか、会員以外の術後日の浅いオストメイトも時々参加しています。仲間が顔を合わせて語り合うことで、悩みに寄り添い、気を休めるきっかけとなっています。

千葉県オストミー協会のホームページ

市民ボランティアグループ「金平糖」

(助成額 5万円)

金平糖は、千葉市と船橋市を中心に医療や介護に携わるスタッフや家族同士が情報交換したり、相談できる活動や場を提供している市民ボランティアグループです。平成23年7月に発足しました。医療や介護の専門職や地域住民、患者さんやご家族が集まり、患者さんが使うタオル帽子などのケアグッズを手作りしたり、食事や生活などの身近なことを学ぶ勉強会や公開講座を開催したりしています。

平成30年度は、助成金を活用してケアグッズの安全性を確認する検針機を購入しました。千葉県がんセンターへは、抗がん剤で脱毛された方の頭を守るケア帽子(タオル、布、ジャージの帽子)、アイスノンカバー、尿バッグカバーなどを寄付しました。夏祭りでは、ケアグッズを患者さんやご家族に直接手渡しし、喜んでいただきました。

このほか、検見川高校の家庭科選択授業3年生の生徒さんとケア帽子づくりをしました。千葉県こども病院では、認定NPO法人ミルフィーユ小児がんフロンティアーズ様の依頼で子供たちの「遊び着」を作成しました。

金平糖のホームページ

千葉市生涯学習ボランティアの会「タオル帽子」

(助成額 5万円)

千葉市生涯学習ボランティアの会「タオル帽子」は、平成11年3月10日に発足しました。初年度から、千葉県がんセンターで7年間に3,000個のタオル帽子を届けています。平成30年度は1,335個寄贈しました。抗がん剤の副作用で脱毛に悩む患者さんをタオル帽子で応援しようと、平均75歳の高齢者約30名が活動しています。

千葉県がんセンターだけでなく、国立千葉医療センターなど県内の病院に幅広くタオル帽子を寄贈しています。タオル帽子を作ってみたいという方に、講習会や教室、展示会を開き、作り方の指導を行っています。毎月の定例会でタオル帽子を作ったり、寄贈タオルの検針、糸くずや汚れの確認などを丁寧に行い、袋に詰め、サイズ別のラベルを貼って病院に届けています。

千葉市生涯学習ボランティアの会「タオル帽子」について(千葉市ボランティアセンターのホームページより)

ちばグリーフサポート

ちばグリーフサポート(NPO法人千葉県東葛地区生と死を考える会千葉市支部)は、大切な家族や友人をなくし、心の痛みや苦しみを抱えている方が集い、お互いの気持ちを聴いたり、話したりしながら、心の苦しみや悲しみを分かち合う会です。2015年に発足しました。毎月第2月曜日に、千葉市キボールにて定例の分かち合いの場を設けています。

今年度は、設立5周年を記念して講演会を開催しました。
日時:2019年1月19日(土)14:00~16:00
場所:国立病院機構 千葉医療センター
講演1:「苦しみに向き合う力、支える力」
山崎 章郎氏(在宅緩和ケア充実診療所 ケアタウン小平クリニック院長)
講演2:「グリーフケア25年間を振り返る」
水野 治太郎氏(麗澤大学名誉教授 NPO法人千葉県東葛地区生と死を考える会理事長)

ちばグリーフサポート5周年記念講演会チラシ(PDF)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちばグリーフサポートのホームページ

NPO法人 千葉県東葛地区生と死を考える会のホームページ

千葉県がんセンター患者サロン

(助成額 10万円 継続)

毎月第4木曜日10:00~12:00、千葉県がんセンター内の1階売店奥の会議室で開催。千葉県がんセンターで治療を受けている、あるいは以前治療を受けたことがある患者さん、ご家族が参加することができます。患者さんの有志が世話人となって運営し、患者さんが悩みを話したり、相談したりする座談会や医師を交えたざっくばらんなおしゃべり会などを企画しています。世話人の方が発行しているニュースレター「患者サロンだより」で、活動の様子を公開しています。

千葉県がんセンター患者サロンに関するホームページ