【Dr.竜の診察ノート】ワクチンは極めて有効!感染大爆発を避けるため16歳以上は早急にワクチン接種を

感染力強いインド型
オリンピック開催で人流増加、感染爆発の懸念

緊急事態宣言が解除されたにもかかわらず、感染者は増加。死者も2021年は1万千人を超えている。COVID-19感染はイギリスでほぼインド型に置き換わったが、日本でも感染力が強いインド型に置き換わりつつある。オリンピック開催で、人流がさらに増して感染爆発が危惧される。

ウガンダのオリンピック選手の感染が明らかになったが、PCR検査で陰性だった他の選手や同乗していた80人の一般客は、全く野放しに入国、全国に散っている。接触から2週間は発症のリスクが高いため、このような水際対策は感染爆発が同様に危惧される。

20~40代のワクチン接種が急務
アナフィラキシーショック、心筋炎の報告も。各会場での対応と薬で回復

COVID-19感染は20~40歳代が主体で、この年代へのワクチン接種が済まない限り感染は制御できない。65歳以上のワクチン接種対象者はほとんどが家に引きこもっていて、感染を広げていないからだ。16歳以上への早急なワクチン接種が国民の命を守るため必須だ。報告されているワクチンの重い作用は、アナフィラキシーショックであるが、これは接種後15分以内に発症するので、各接種会場で十分に対応する体制となっている。

また、イスラエルから、若い男性に心筋炎の発症が報告された。16歳から24歳までの男性の3000から6000人に1人の頻度で、2回目接種後数週間で発症という。幸いいずれも軽症で、抗炎症薬で回復した。日本では接種後の死者が報道されているが、詳細は不明だ。

千葉大医学部、ワクチンの有効性99.9%と報告

ワクチンの有効性が、千葉大学医学部の臨床免疫学教室から報告された。2回目接種の医療従事者1774人(21-72歳)で、1773人(99.9%)に有効性が確認された。スパイク蛋白に対する抗体価が著しく上昇しており、女性に高く、若い年齢程高い傾向が見られた。70歳以上でも抗体価が高い方が多かった。また、コロナ感染の既往のある人、抗アレルギー薬服用者で抗体価が高く、免疫抑制剤やステロイド服用者で抗体価が低かった。ワクチンはキラーT細胞にも及んでおり、感染症全般にも効果が期待できるという報告だった。

※「Dr.竜の診察ノート」はNPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の竜崇正理事長が、浦安市の市民新聞「うらやす情報」に寄稿したものを発行後に編集して掲載しています。