第17回 目にも胃にもやさしい若草色        春キャベツのピューレ


  東日本大震災から一カ月が経ち、まだ余震など不安な日々は続いていますが、気が
つけば季節はもう春の盛り。食材も新ジャガイモ、新タマネギ、そして春新キャベツと柔らかくみずみずしい野菜達が市場に出回り、食卓を彩っています。


  今回は、若草色が目にも胃袋にも春キャベツをピューレにしてみましょう。 


  春キャベツは巻きがゆるくふんわりしていて、やわらかく甘いですね。特有のビタミンU(キャベジン)が胃腸の調子を整え、肝臓の解毒作用を助ける働きがあります。食物繊維も多いです。

  でも生のままだと、ボリュームもあったり固い部分もあったりとなかなか一度に多くの
量は取りにくいですね。そこで、ピューレにするとかさも減り、凝縮されますから思った以
上の量を食べることができます。色もきれいなので目でも楽しんでみてください。


  東北の被災地へ医療支援に出向いたドクターは、避難所にキャベツを持っていった
そうです。皆さんに「これが欲しかった」と言われ、大人気だったとのこと。どうしても炭水化物中心の避難所暮らしでは、野菜の摂取が課題です。持ち運びもしやすく、保存がきく
ピューレが何か役に立つのではないかと思いを巡らせています。
    
キャベツのピューレ
 
 材料

キャベツ                1/2個(ざく切りにしてどんぶり一杯分)
水                    3カップ程度
固形スープの素(チキンブイヨン) 1個
塩                    少々

  

 キャベツ
 
作り方

@ キャベツをザクザクと一口大に切り分けます。(3p角程度) 
   外側の葉や芯も小さめに切って使います。
カットしたキャベツ 

A キャベツを鍋に入れてひたひたひになる程度の水と固形スープの素(チキンブイヨン)
  を一個加えて、火にかけます。塩をひとつまみ入れましょう。

  湯が沸騰するまでは強火で、その後は鍋のふたをして弱火にしてじっくり火を通しま
  す。(20分間程度)

       踊るなべ

       鍋も踊る春!

B キャベツがくたくたになるまで煮込んだら、ふたを取り、水分を飛ばします。
  水が鍋底に少し残るぐらいになったら、火を止めて粗熱をとります。

  この段階でも十分やわらかいので、召し上がっていただいてもOKです。
     しょうゆなどを少したらすとおいしく食べられます。



 





 くたくたに煮たキャベツ
C キャベツをミキサーに移します。ミキサーが回らないようであれば、鍋に残った水分を
  少しずつ加えて回していきます。滑らかになったら完成です。

  お好みで、塩やしょうゆ、トマトソース(ケチャップ)、カレー粉などを味付けに加えて
  召し上がってもおいしいですよ。

  小分けパックに入れて冷凍できます。(約1カ月)
  解凍する際は、解凍によって出た水分を飛ばすため、電子レンジにかけるか、
  鍋にあけて再度火を通してください。
                                ピューレ完成      
ミキサーにかけたキャベツ 
 ワンスプーンメモ

●キャベツのビタミンCは特に外側の葉と芯の近くに多く含まれます。でも、そのままでは固くて食べにくいですね。ピューレに
 すればとろとろになって食べられるので、捨ててしまわずに一緒に鍋に入れてみてください。

●このピューレを洋風スープに加えてもいいですね。
 コンソメスープにベーコンやソーセージの薄切りを浮かべ、キャベツのピューレを溶かします。
 お好みでほかのピューレ(ニンジンや玉ねぎなど)があれば一緒に溶かして塩コショウで味を調節すれば、ご家族も楽しめる
 野菜スープが完成します。

    野菜スープ