サクッサクッ、パリッ。香ばしいパンを食べる音を言葉にするとこんな感じです。
 

  ケアフードのパンはちょっと違いますよ。ムース状で柔らかく、一口含めば舌の上で溶けるような感覚です。それでいてパンの持つ小麦の味、甘さはより強く感じられます。
まるでデザートのような一品。 
  

  「主食にはご飯よりパンが食べたい」とおっしゃる患者さんの声をよく聞きます。でも、何度も噛まなくてはいけない、もそもそして飲みこみにくいのが悩みの種。このパンのムースであれば焼いたパンのように口の中に痛みを感じたり、飲みこみ辛いという悩みが解消できるのではないでしょうか。冷やしてもおいしいので、冷たいものが好みの方にもおいしく召し上がっていただけます。


  子供たちのおやつにも、ぜひ。ご家族の皆さんもきっと楽しめますよ。  
パンのムース
 
 材料

食パン(みみは取り除く)       スライス2/3枚分程度(100g)
牛乳                   3カップ程度
ジャムやオリーブ油          お好み(最後の味つけで使います)

  

パン 
 
作り方

@ 食パンのみみを取り除き、2cm角程度になるように手でちぎります。
   ムースの色を白くしたい場合はみみの部分は取り除いた方がいいです。
 
ちぎったパン



A パンを鍋に入れ、牛乳を注ぎます。中火で5分ほど温めひと煮立ちさせます。

  牛乳とパンの割合は、2:1か3:1程度の量にします。ふわふわで軟らかい食
      感にしたい場合は3:1よりももっと牛乳の量を多くしても構いません。
      

      大き目の皿にパンと牛乳を入れて電子レンジで3〜4分間チンしてもOKです。


ミルクにひたしたパン

B パンが柔らかくなってきたら、さい箸かしゃもじでパンを潰していきます。
   このまま召し上がって十分柔らかいですが、より滑らかにしたい場合は粗熱を取って
  ミキサーにかけます。ミキサーが回らなければ牛乳か水を大さじ1〜2杯加えていき
  ます。


 

 ミキサーにかける
Cお皿に盛り付けて完成です。お好みでジャムやハチミツ、カレーの残り、トマトソースな
 どを添えてもOKです。いろいろな味を楽しんでください。

 温めた状態でも、冷たく冷やしてもおいしくいただけます。
 ムース完成
 ワンスプーンメモ

●パンは水分を吸収しやすいので、ムースを作ってから、食べる直前に再度牛乳牛乳を加えて混ぜるとより滑らかになります。
 味付けに加えたジャムやソースの水分でも滑らかになるので、固さは好みの段階に調整して召し上がってください。

 

ホイッパー
  
   
見た目も楽しめるケアフード。盛り付けをひと工夫


   お豆腐ですか? バターですか?
   患者さんが集まった食事会で、パンのムースをさりげなく並べたときのことです。
   小さなティーカップに盛りつけていたこともあり、見た目だけではパンと気付かれ
   ませんでした。

   一口、二口、スプーンを口に運ぶ患者さんからはびっくりした表情もみられました。
   「なんて滑らかなの!」「食べてみてパンって分かりました。パンよりもパンらしい
   味がします」などのコメントも.ありました。その日の食事会の一番人気はその
   パンのムースになるほどでしたね。
   
   パンは朝食でもない限り、ランチコースやディナーのコースでは脇役です。
   でも、パンのムースは盛り付けや味付けで見た目や食べ方もいろいろ楽しめるの
   で、メインにもデザートにもなります。いろいろな食材を一度に食べるのはしんど
   いなという時、これだけでもお腹いっぱいになりますから、ぜひメインディッシュとし
   て味わっていただきたいとな思います。
パンのムースイメージ