2022.6.1 千葉の市民グループ「金平糖」が10年活動記念誌を発行。患者、家族、医療者、ボランティア、地域の人…緩やかな絆を核に幅広い活動の記録

小さな力を大切に、一人ひとりの思いをつなげる「ともいきの会」として
患者さんもご家族も、医療者も、地域の人達も
合言葉は「できる時に、できる事を、無理なく、ちょこっと」
千葉の市民グループ「金平糖」が10年記念誌発行

千葉市などで活動を続ける市民グループ「金平糖」は、2011年7月の発足以来、今年で10周年を迎えたのを機に、活動記念誌を発行しました。金平糖は、がん体験者の松尾陽子さんと、家族の闘病を支えてきた佐藤真生子さんの二人がコアスタッフとして立ち上げ、患者さんが使用するタオル帽子などのケアグッズの作製、患者さんやケアする方向けのアロマテラピー講座、ヨガ講座、食事をテーマとする勉強会など多彩な活動を展開。そして、講座や企画、イベントを通して人と人の緩やかな接点とつながりを作り、病気や介護などの課題を抱えながらも地域の中でより良く生きるための心の拠り所なるような存在として輪を広げてきました。記念誌は、そんな金平糖の活動の記録と、温かな人同士のつながりが手に取るように分かる一冊となっています。

患者さんを支えるケアグッズ制作
“ケアする人”をケアする活動…etc

活動の柱は、がん療養中の方が使うタオル帽子などのケアグッズを作って届ける活動、患者さんや高齢者を支える医療者や家族などの“ケアする人”をケアする傾聴やリラクゼーション講座などの二つです。千葉県がんセンターや千葉県こども病院、千葉県リハビリテーションセンターなどの県内の医療機関や、県内の看護学校や大学、専門学校、小学校などの教育現場にも出向いてつながりを深めてきました。また、金平糖が関わることで団体同士をつなげ、それぞれの活動の幅や奥行きを広げる取り組みも進みました。

食についての勉強会の様子

手作りのタオル帽子

冊子では、金平糖の10年間のあゆみが一歩ずつ記されています。そして、関わりができた仲間の写真やメッセージ、エールの言葉がたくさん掲載されており、小さな活動の積み重ねが人々の心に灯した明かりの温かさを物語っています。当NPO法人も、患者サロン活動支援助成金などを通じて金平糖とのつながりを深め、講座への参加・支援も行ってきました。

がん、医療や介護に向き合う人を取り巻く環境は、まだまだ課題も多く、様々な分野で充実させる必要がありますが、こうした当事者や市民のささやかな活動の積み重ねが、大きな力となって誰もがそれぞれの人生をより良く生きられる支えとなっていくといいですね。

市民グループ金平糖カメンバーの佐藤さん(左)と松尾さん(右)