【ステイin千葉も楽しもう♪】知られざる千葉公園シリーズ① 過去と未来をつなぐタイムトンネル、陸軍・鉄道第一連隊演習所の遺構が物語る千葉と戦争の歴史

千葉県民ならば誰もが知る「千葉公園」。JR千葉駅からも歩いてすぐの広大な緑が広がる都会のオアシスです。この辺、江戸時代はアシなどが生えた沼地だったそうです。明治後期になって、旧陸軍が鉄道連隊を設けたのを機に、様々な設備が整えられました。終戦後は、園内の樹木を伐採して燃料にし、食糧難を救う菜園にもなりました。歴史の変遷とともに様々な用途に使われた千葉公園。今回から3回シリーズで、その歴史にスポットを当ててみたいと思います。当NPO法人の常任理事で元千葉県がんセンター看護局長・大西眞澄さんのエッセイと写真でお伝えします。

千葉市・千葉公園
縄文土器モニュメント、太平洋戦争の遺構…そして、大賀ハスへ
平和への願いも込めた大賀ハス、70周年を迎えて今年も開花

千葉市の花「大賀ハス(古代ハス)」の開花状況を見に行きました。 護国神社近くにある駐車場に車を置き、体育館とプールの間の道を通って、「四季の花」の場所に。ここで目に飛び込んできたものがありました。

過去と未来をつなぐタイムトンネル
加曾利貝塚・縄文土器をイメージ

「過去と未来をつなぐタイムトンネル」と題したモニュメントです。平成2年、大阪での「国際 花と緑の博覧会」に出展され、その後ここに移されたものだそうです。鉄製のモニュメントは、太古から未来に抜けるタイムトンネルをイメージし、いくつにも連なるアーチに縄を張り巡らせた形は、縄文土器をモチーフにしているそうです。また、中央の土器は、加曾利貝塚から出土した縄文土器をモデルとして、約5倍の大きさに拡大したものだそうです。まさにタイムトンネルの入り口ですね。

様々な角度からモニュメントを撮影してみました。足元の草花と同期し、静かにたたずむタイムトンネル。思わず吸い込まれそうな気持になります。

スライドショーでご覧ください。

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蒸気機関車

ここには、子供たちに人気がある「蒸気機関車」(川崎製鉄所で使用されていた)もありました。

遊具広場から蓮華亭へ

歩みをすすめ、「遊具広場」を通り越し「蓮華亭」を目指しました。

大賀ハス

いよいよ大賀ハス。開花状況はつぼみがたくさん顔を出し始めているところでした。

蓮華亭では、ちはなちゃんがお出迎え

ハスの向こうにはモノレールが見える

大賀ハスに関する情報は、千葉市のwebサイトがオススメです。
千葉市:大賀ハス何でも情報館
* 下記は、ホームページから引用した情報

<大賀ハスの発見>

昭和26年、千葉市検見川の東京大学検見川厚生農場だった泥炭地で、大賀博士と地元小中学生らによって3粒の実が発掘されました。なんとこの実は、約2000年前(縄文時代)のものと鑑定され、このうちの1個の実が翌年昭和27年7月18日に見事に花を咲かせ、2000年の眠りから目を覚ましました。千葉県の天然記念物および千葉市の花の制定されています。蓮華亭前の蓮池に群生し、見ごろは6月中旬、昼頃に可弁が閉じてしまうため、早朝の鑑賞がお勧めです。

大賀博士と育てた伊原氏

蓮華亭にある説明情報

綿引池の周囲を巡って

「綿引池」は、江戸時代には作草部村と寒川村の境界線だったとか。池の名前は、綿引きを生業としていた太郎兵衛にちなんでのこと。

赤い傘の森、ホログラムの傘の森

東門(モノレール駅前)の方向の木々の間から赤いものが見えました。赤い傘の森です。

傘とハスは相性がいいんです!ハスの葉に水がかかると小さな水玉になってコロコロと転がりますよね。これは、葉の表面に細かい突起がついており、水と葉の間に隙間をつくることでできる空気の層が水をはじくためです。傘の生地はこのハスの葉の構造を再現して作られました。

綿引池を南門のほうに巡っていくと、ここにもきらきら光る「ホログラムの傘」の森が。百花繚乱。「シャイニーアンブレラ」と呼ばれる傘が光の当たり方によって様々な色を放ち、地面にも写っていました。虹色の夢のような空間の中で、モノレールが来るのを待ちました。大賀ハスが開花して70周年を祝う傘の森。夢の中に飛び込んで、未来にタイムスリップしたひとときでした。

陸軍・鉄道隊第一連隊の演習場

かつて、千葉公園周辺は、陸軍鉄道隊第一連隊の演習場(明治41年に設置)でした。散策中、あちこちにその面影を伝えている遺構が残っておりました。

コンクリート製の架橋演習橋脚跡

トンネル工事演習に使用した跡

<荒木山について>

荒木山の標柱

* 千葉市ホームページから引用した情報
ここは、連隊ラッパ手の訓練が行われた場所。満州事変の折、大興安嶺で戦死した荒木克業大尉を悼んだ鉄道第一連隊の兵たちによって銅像が建立され、「荒木山」と呼ばれるようになった。 その銅像は、太平洋戦争の末期の物資窮乏の折に供出されたとのこと。
千葉公園は、陸軍演習所だった場所。時を重ねてきた数々の遺構の前に立ち、今現在戦火のウクライナ映像が重なり合い、頭をかすめていきました。ただただ、平和の世の中であってほしいと祈ることしかできません。

そのほかの見どころ

千葉公園の見どころは随所にありました。
〇 公園南口の門を入ってすぐのところに、長谷川昴さんの彫刻像「朝」

〇 公園東口の門すぐそばの彫刻像

〇 好日亭(茶室)

〇 プラタナスの巨木

〇 千葉公園案内板


千葉公園は緑豊かで、思い思いに過ごす事ができる場所です。何度行っても新しい発見があると思いますので、ぜひ皆さんもゆっくり歩いてみてくださいね。

information

千葉市ホームページ・千葉公園

千葉公園 ちはなちゃんガイド

千葉公園内地図リーフレット