【ステイin千葉も楽しもう♪】知られざる千葉公園シリーズ③ 開花70周年、古希を迎えた大賀ハス。ハス発見・開花前に生まれた皆さんと一緒に穏やかに愛でる。

大賀ハスは、1951(昭和26)年に千葉市検見川(現花見川区)の東京大学厚生農場の落合遺跡で発掘されました。湿地帯で、縄文時代の船だまりがあった所とされています。当時の発掘調査で、丸木舟やハスの花托が掘り出されていました。植物学者でハスの権威でもあった大賀一郎博士が、地元の子供たちや住民と一緒に行った時に、地元の中学生によってハスの実が1粒発掘されたのが“大賀ハス誕生物語”の始まりです。大賀博士の研究と栽培によって、翌年、この実が見事に花を咲かせることとなります。

知られざる千葉公園シリーズの最後は、1952年に花開いた大賀ハスが花開く前に生まれた長寿の皆さんと一緒に千葉公園を訪れた時のお話です。当法人常任理事の大西眞澄さん(元千葉県がんセンター看護局長)の写真とエッセイでお伝えします。

千葉市・千葉公園
古希を迎えた大賀ハスを愛でる
健康に感謝し、世界の平和を祈りながら…

私の今の勤務先である看護小規模多機能型居宅介護施設「カンナナーシングホームかわど」の利用者さんと共に、大賀ハスの花の鑑賞に行ってきました。同時に、厳嶋神社(弁天様)にも参拝しました。

看護小規模多機能型居宅介護施設「カンナナーシングホームかわど」

一緒に行った利用者さんたちは、9名。95歳、93歳、90歳、88歳、86歳、85歳、84歳、77歳、73歳 と、みなさま大賀ハスが発見され開花する前に生まれた方ばかりです!

厳嶋神社を参拝

先ずは、厳嶋神社(弁天様)の参拝をし、御朱印を戴きました。

オオガハスの庭へ

神社は綿引池のほとりにあり、すぐ大賀ハスの咲いているところに行けました。

巨木の足元に咲くアジサイ

最新型のモノレール車両と弁天池

みなさま、大賀ハス(古代ハス)の色鮮やかな姿に感嘆されていました。

70年前の日本に思いを馳せる

大賀ハス鑑賞後は、バーゴラ(日よけ棚)の下で休憩し、穏やかなひと時を過ごしました。

このバーゴラは、かつて中央公園にあったものを移設・復元されたのだそうです。バーゴラとは、屋外で日陰を作るための日よけ棚。実用と景観を兼ねており、屋根につる性の植物を絡めているのをよく見かけます。

1951(昭和26)年に大賀ハスの実が千葉市検見川の古代遺跡から発見され、翌年の1952年、2000年の時を経て開花したことは、当時ビッグニュースとなって全国を駆け巡りました。ノーベル文学賞を受賞した文豪・川端康成も大賀ハスの開花に魅了された一人です。当時、断続的に発表していた小説「山の音」にもリアルタイムでこの開花のニュースが何度も登場します。“縄文期の蓮華”という組み合わせは、まだ終戦から数年しか経っていない混沌の中にある日本において、日本人の虚無感をなぐさめ、希望の光となって輝いていたに違いありません。2000年前からの日本を知る生き証人である大賀ハス。長い眠りから覚めた蓮華の凛とした立ち姿に、私たちは日本人としてのアイデンティティを再生するためのきっかけをつかんでいたのではないでしょうか…。大賀ハス開花当時に思いを馳せながら、今、新たな混乱とものものしさのただ中にある日本や世界の安穏と平和を祈りました。

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