【連載・チーバくんのがん情報局】②拠点病院ってなあに? どこに住んでいても質の高い、同じ治療が受けられる

がん対策基本法施行記念
連載・チーバくんのがん情報局
②拠点病院ってなあに? どこに住んでいても質の高い、同じ治療が受けられる

チーバくん:がん診療連携拠点病院って、いったいどんなことをやっているの?なんのためにわざわざ指定したの?

よもやま博士:一番のメリットは、患者さんが住んでいるところに関わらず、どの病院に行っても質の高い、同じような治療を受けられるということなんじゃよ。これまでの日本のがん医療の背景を少し説明するとしよう。

これまでは、がんになったら、がんになった病巣を取り除く手術治療が中心で、それ以外の放射線療法や抗がん剤を使った化学療法などが十分だったとは必ずしも言えない状況だったんだよ。

チーバくん:数年前にがん治療をテーマに病院や医師の姿を描いた「白い巨塔」というテレビドラマが話題になったね。あのストーリーの中でも、外科のドクターが治療や手術の手動を握っていたよね、確か。

よもやま博士:まぁ、ドラマはちょっと極端な世界を描いていたかもしれないけれど、まったくありえない話でもないね。病院によってもそれぞれ治療に個性があったというか、治療の進め方がまちまちだった。病院や医師同士の情報のやり取りもそれほど盛んではなかったから、患者さんにとってもその病院で受けている治療が自分にとって一番の方法なのかどうか不安になることはあったかもしrねないね。

チーバくん:じゃあ、拠点病院が整備されると、そういう不安が解消されることになるのですか?

千葉県は人口50万人に一つの拠点病院

よもやま博士:そうじゃな。その努力が始まったんだよ。まずは、県内13カ所(平成20年当時)あるという拠点病院の数に注目してほしいんじゃ。難しい言葉じゃが、千葉県内を9つに分けた「二次医療圏に一つ」という国の配置基準に加えて、千葉県ではさらに人口50万人に一つという基準を設けて人口の多い東葛地区には2つ、3つと複数の拠点病院を置くことにしたんだよ。

チーバくん:なるほど。東京都に近い地域は一つの病院では足りないからね。でも、拠点病院はない地域もあるよ。

よもやま博士:山武・長生・夷隅地区だね。将来的には、ここにも拠点病院ができる予定なんだ。それまでは、近隣の拠点病院がカバーすることになっておるよ。(現在は、地域がん診療病院として、さんむ医療センターが指定されています)