【連載・チーバくんのがん情報局】⑫千葉県がんセンターpart8 ここがすごい!画像診断医。転移を見つけ、手術のシュミレーションも。経験と知識に基づき的確な判断

がん対策基本法施行記念
連載・チーバくんのがん情報局
⑫千葉県がんセンターpart8
画像診断医、画像をもとに経験と知識に基づき的確な判断
身体への負担が少ない手術も可能に

チーバくん:ところで、画像診断医って、放射線科医師とはまた違うの?

 

 

高野医師:昔は、放射線科医師が放射線治療も行い、画像の診断も両方やっていたんだけど、ご覧の通り業務が高度化して、画像診断も、放射線治療もそれぞれ求められるスキルが高度になってきたので、診断と治療は分けて行うようになってきたんだよ。

チーバくん、これがCTだよ。

大きな機械としては、ほかにもMRIやPET-CTがあるよ。

チーバくん:機械、どれも大きいね。画像診断の力で具体的にどんながん治療に役立っているの?

画像診断で、がんの取り残しがないようしっかり確認

高野医師:例えば、乳がん。最近の治療では、がんの周りだけを切り取って、後は放射線をかけたり、ホルモン療法をやることで乳房を残すことができるようになってきたんだ(温存)。

チーバくん:乳房を全部取らなくてもいいんだね。でも、がんを取り残すことはないの?

高野医師:がんを取り残したりしないために、画像診断の精度が重要なんだよ。最近では、薄い画像を数百枚撮って、3次元の立体的な画像を作ることも可能になったんだ。それを使って、手術のシュミレーションをしたり、患者さんへの説明をしたりもするよ。

チーバくん:へぇ、そんなこともできるんだね。

高野医師:画像を組み合わせたりすることでずいぶん見やすくはなったね。でも、この腫瘍が本当にがんなのか、他の場所に転移がないかどうかを判断するには、やっぱり知識と経験が必要なんだ。

チーバくん:画像診断の専門医の役割って大事なんだね。

バーチャル内視鏡

高野医師:次は胃がんや大腸がん。バーチャル内視鏡という方法で見ると、がんが良く分かる。

チーバくん:内視鏡って、お尻からカメラ入れるやつ?

高野医師:バーチャル内視鏡は、管を入れる必要はないんだ。CTを使って画像を立体化して消化器検査をすることができる。体への負担が少なくて済むし、内視鏡が通過できないような部分も観察がしやすい。通常の内視鏡に比べて、バーチャル内視鏡はがんが臓器の外に出ていないか、リンパ節が腫れていないか、手術の際にどこを切ればいいのかなどを調べるには、すごく役立っているよ。昔は、外科医がおなかを切って開けてみれば分かると思われていたけれど、手術方法を先にシュミレーションしておくと、手術の時間を短くできるし、危険な手術もしなくて済むよ。

チーバくん:画像診断って、がん治療には欠かせないんだね。

高野医師:分かってもらえると嬉しいよ。