【千葉県がん患者大集合】2021.11.3 第12回千葉県がん患者大集合を開催。コロナとがんをテーマに、様々な疑問や不安に明快な回答。

第12回千葉県がん患者大集合は、11月3日(水)、千葉県がんセンター旧事務局棟会議室2階で開かれました。「コロナウイルス感染症とがん」をテーマに、新型コロナウイルス感染症について理解を深め、がん患者として治療やワクチン接種とどのように向き合えば良いのかを考えるきっかけとしました。千葉県がん患者大集合2021実行委員会が主催し、当NPO法人も後援団体として参画しました。

新型コロナの症状やワクチンについて科学的根拠に基づく知見

コロナ禍ということもあり、オンラインセミナーとして開催しました。講師は、千葉大学医学部附属病院感染症内科・感染制御部講師の谷口俊文氏。「新型コロナウイルス感染症 最新の情報と考え方」と題して、新型コロナのメカニズムや症状、後遺症について科学的根拠に基づく知見を説明しました。新型コロナに感染すると、様々な臓器が横断的に障害を受け、発熱や頭痛、咳、肺炎、味覚異常、嗅覚異常など良く知られている症状以外にも腹痛や不整脈、急性腎障害などが生じることがあるといいます。中でも、肺炎が重症化しやすく増悪すると致命的。重症化しやすいリスクとして、高齢者や肥満、糖尿病、慢性腎臓病があるといういことなどと改めて丁寧に解説いただきました。

谷口俊文先生

その上で、新型コロナワクチンとはどういうものか、摂取することで体内に何が起きるのかなどに触れました。現段階では、コロナの終息にはワクチンに頼るしかないこと、ワクチンを打つことで変異ウイルスにも対応可能だということも説明。心筋炎や心膜炎のリスクを減らすために、10~20代の若い男性にはファイザー社のワクチンを勧めることも具体的に話しました。

ワクチン接種は、乳がんリンパ郭清の腕とは反対の腕に

視聴者から寄せられた「乳がん患者でリンパ郭清をしている場合は、リンパ郭清をしていない腕にワクチンを打った方がいいかどうか」という質問に対して、谷口先生は、「ワクチンはリンパ節を腫れやすくすることがあるため、郭清した腕とは反対の腕に接種した方が良い」と回答しました。また、「ワクチンを打つと不妊になる、流産しやすくなるのは本当か?」という問いには、「それはありません。逆に妊娠中にワクチンを打つことで、新生児や母乳にも抗体が見られ、むしろ新生児も守られる可能性が高い」としました。

オンライン配信をする会場の様子

「こびナビ」プロジェクトで活動も

谷口先生は、新型コロナの正確な情報提供と、ワクチンに対する様々な偏見や噂をなくそうということで、医療者による情報提供サイト「こびナビ」のメンバーの一人として活動もされています。コロナの症状やワクチンについての細かい質問や不安の一つひとつにこたえる動画を配信したり、リーフレットを作成するなどして正しい情報の拡散に努めています。

「こびナビ」の公式サイトはこちらから

千葉県がん患者大集合ではこのほか、熊谷俊人知事のあいさつ、千葉県健康福祉部健康づくり支援課がん対策班班長の松下寛氏による「千葉県がん対策推進計画」についての説明も行われました。

千葉県健康福祉部の松下さん