浴衣、茶道など日本文化も披露
           医療支援から草の根の文化交流まで
           「ボリビアー日本の友好に少しでも役に立ちたい」

           公立芽室病院(北海道) 
           内科医  唐沢 直子

           シンポジウムでの発表内容
           「メタボリック症候群の特定健診について」



 


 

 2年前に初めてこのシンポジウムに参加させていただき、今回は2回目のボリビア行きでした。ボリビアは日本からはちょうど地球の裏側に当たります。今回ボリビアに行くにはアメリカを経由して飛行機の時間だけでも20時間、待ち合わせを含むと24時間の旅でした。

          
はるか南米の地ボリビアと日本の歴史的なつながりを知る旅

 初めてボリビアに行った2年前、私はボリビアが正確にはどこにあるかも、国の内情についても、どんな人たちが住んでいるかも、日本との関係もほとんど知りませんでした。行く前に地図を見て・・・そうか、ペルーとブラジルの間だな、海はないんだ、首都はラパスで、空港は4000mもあるらしい・・・それくらいの知識でボリビアに着きました。シンポジウムで多くの日系ボリビア人の人たちと交流し3世代、4世代前に日本から移民したたくさんの人々がいたこと、数知れない苦労をして今日に至っていることを学びました。その困苦に対して日本政府が移民した人達に正式に謝罪したことも初めて知りました。私は知らなかったことに恥じ入る思いでした。




    

 

           浴衣とお茶で「おもてなし」。現地で有名人になった!?

 2回目ということもあり私が、行って初めてボリビアを少し理解したという経緯もあり逆にボリビアの人たちに日本を少しでも知っていただけるよう、友好を深めるために今回は日本文化を紹介しようと思って行きました。

 パーティーには浴衣を着て参加しました。同行の竜先生と斉藤さんにも浴衣を持ってきてもらうよう話してありました。3人で浴衣を着たので印象も強かったらしく大変好評でした。また浴衣も日本から持っていき現地の女性に着せてあげたりもしました。その方はスクレの医学生でしたがスタイルもよく、きれいな子だったので若々しいピンクの浴衣が映えること!これまた大変好評でした。

 茶道も披露しました。茶道の作法などを説明しながらお茶をたてお菓子とともに味わっていただきました。お茶もお菓子もうけました。2回目のお茶の会では何杯もお変わりをリクエストされ道具やお茶、お菓子を持っていった甲斐がありました。







 また、ある日のチョコレート屋さんでのひと時学会が開催されたスクレという町はチョコレートが有名なのでみんなでお土産に買いに行きました。そうしたら店員のおばちゃんが私に「日本のDrですか。私はあなたを知っている」と言うのです。え?と思いましたら「昨日着物を着てここを通ったでしょ」ですって。日本からたくさんの医療関係者が来ていることは新聞に出ていたようです。更に着物(浴衣ですが)を着て店の前を通ったのだからよほど印象深かったのでしょうね。そのお店では話題になっていたらしく一時話がはずみ民間のささやかな国際交流ができました。

 私にとって異文化は大変魅力的です。2年前、誘われて知らない国に行ってみたい・・・その気持ちだけで参加したシンポジウムでしたが私もボリビアと日本の友好のためにできることを何かしたい、と思うようになり今回は日本文化の一端を披露した次第です。

             
22年間の医療をつうじた草の根交流の証をみる

 このシンポジウムは2年に1回開かれています。今回は第11回のシンポジウムということでこの会が始まって22年経つということでした。22年間にはいろいろ困難なこともあったと思います。中心になって活動してこられた先生方には本当に頭の下がる思いです。この火を絶やさぬように協力させていただきたいと、思いを新たに帰国いたしました。




 

 

 もちろんシンポジウムには演題を出しつたない話をさせていただきました。
  
          ナスカの地上絵、マチュピチュ、ワイナピチュ山…大自然と世界遺産を五感で感じる


 シンポジウムの前後にはペルーに立ち寄りナスカの地上絵やマチュピチュなど、観光しました。ナスカではセスナに酔いながら砂漠の中にいくつもの地上絵を見ました。行く道々の景色や昼食に立ち寄った地元のレストランなども印象的でした。旅の最後のハイライトはマチュピチュです。テレビや写真で見たマチュピチュが目の前にありました。映像と違うのは、風の音を聞き、においをかぎ、石の壁に触ってみる、そのぬくもりを感じる・・そんなことができることでした。憧れていたマチュピチュは本当に素晴らしく心に残る旅でした。

 でも今回一番印象に残っているのは浴衣やお茶を、ボリビアの人たちが大変喜んでくれたことです。

 このホームページをご覧のすべての人々へ。ご一緒に次のシンポジウムに行ってみませんか。