研修医の教育を意識したカンファレンス
            活発な発言で盛り上がる
            手術室、ICUも充実、急性期治療の役割はっきりと

            船橋立医療センター心臓血管外科
            榎本 吉倫 


 


 アメリカコネチカット州のニューヘブンにあるYale大学のYale-New Haven Hospital(YNHH)で研修させて頂きました。血管外科の教授、Dr.Sumpioにお世話になりました。主に手術見学をさせて頂いた。YNHHは約900床で60の手術室があります。多くの科でそれぞれICUを有しており、cardiothoracic用のICUは手術室に隣接し17床ありました。急性期を担う病院の役割がはっきりと現れているようでした。
   

    
【1日目】
 6時30分から血管外科のカンファレンスに参加しました。このカンファレンスではレジデントが経験した症例のcase studyが行われていました。スタッフから多くの質問をレジデントが必死に答えていました。カンファのあとはスタッフが部屋に残り、レジデントの評価(手術手技についても)を行っていました。その後リサーチカンファに参加し、午後は手術見学を行った。

【2日目】 終日手術見学。

【3日目】
 朝7時から胸部外科のカンファに参加し、8時から心臓外科のカンファに参加しました。過去2週間分の手術症例(約40例)の術後報告と合併症を起こした症例の検討を行っておりました。血管外科もそうでしたがカンファは発言が多く盛り上がっていますしレジデント教育を意識した発言が多いと感じました。

【4日目】 終日手術見学
 手術は基本的にアテンダントのDr.とレジデント(もしくはフェロー)で行われていましたが、僧帽弁のMICSやCABGではアテンダントとフィジシャンアシスタント(PA)の二人で行われていました。大伏在静脈は内視鏡的にPAが採っていました。ただ、術中のトラブル時にはPAはディスカッションの相手にはならないようでした。看護師は体位とりから消毒、器械出しまでテキパキこなし、術者の好み(使用する人工血管等)まで理解している様です。手術室にはコンピューターが配置され、部屋の準備完了や患者の入室、麻酔開始、執刀などあらかじめ決められたタイミングでtime stampを押していきます。それが院内の各所に配置されたモニターに反映され、院内のスタッフが各手術の進行状況をほぼリアルタイムに把握する事ができるシステムが作られていました。このモニターは患者家族の待機場所にも設置されていました。

【5日目】
 朝EVARを見学しました。部屋の都合にあわせて手術室、カテ室両方で行うようです。止血デバイスを用いてpunctureで行われていました。昼からは翌日の帰国に備えNew Yorkに移動し楽しみました。