アメリカ最大級の病院に圧倒
       高名なドクターの気さくな案内に感動
       最先端の心臓カテーテル治療に触れる
               

           千葉県循環器病センター 
           主任医長 田永 幸正



 


  今回、アメリカ最大の医療機関、クリーブランドクリニックを見学する機会をいただきました。アメリカの医療機関の規模の大きさは常々聞いていたのですが、想像を上回る規模に圧倒される研修でした。まずはシカゴに到着。シカゴで少し観光をし、時差を解消して万全の状態でクリーブランドに向かいました。




 
                                                                                

11月11日(月)

                        専門外の見学が新鮮、初心に帰る
私は循環器内科医で心臓が専門なのですが、最初はCerebrovascular、脳血管の方に配属されるという、びっくりな始まりでした。まずは神経内科の先生方と一緒に朝の回診を行い、その後、カンファレンスに参加させていただきました。専門が違うこということもあり、まるで研修医に戻ったような新鮮な気持ちで臨むことができました。

 
 


11月12日(火)
                  
30以上もの血管造影室
 二日目も脳血管の研修となりましたが、私が専門としているインターベンション(カテーテル治療)を見学することができました。私の所属している千葉県循環器病センターの血管撮影室は3つなのですが(これでも一般的には多い方です)、クリーブランドクリニックには30以上の血管造影室があるとのことで、血管撮影室だけで迷路のようになっていました。日本では行われていない、最新のインターベンションを見ることができました。


 

 


11月13日(水)

                         カテーテル治療の世界的権威
                Dr. E. Murat. Tuzcuの案内に感激

 アメリカの医療機関はフレンドリーだと聞いていたのですが、自分の専門分野が心臓であることを伝えたら、「じゃあ、Cardiovascular(心臓血管)に行っておいでよ。」の一言で、この日はCardiovascularの見学になりました。まず、朝の回診に参加させていただき、その後、自分がインターベンション(カテーテル治療)を主に行っていることを伝えたら、「じゃあ、カテ室に連れて行ってあげるよ。」と、心臓のインターベンションを見学することができました。さらに、インターベンションでは世界的に高名なDr. E. Murat. Tuzcuに会うことができ、「日本人かい?こないだ熊本に行ってきたけど(今年、熊本で行われた心臓病学会で招待講演をされています)、日本はいいところだよ。僕が最新のインターベンションをみせてあげるよ!」とハイブリッド手術室に案内してくれて、TAVRとMitra Clipを見せてくださいました。飛び込みで見学している日本人にここまで優しくしていただき、本当に感動しました。


 

 


11月14日(木)

 この日もCardiovascularの回診に参加して、その後、今回の我々の研修を受け入れてくださったDr. Fukamachiのラボを見学させていただきました。最新の補助人工心臓をみせていただき、大変勉強になりました。

11月15日(金)

 研修、最終日はDr. Fukamachiにクリーブランドクリニックの心不全病棟を案内していただきました。最新の補助人工心臓が装着された患者さんと実際に会話することもでき、医学の進歩を感じることができました。

  11月15日の午後にニューヨークに到着し、観光をさせていただいてから、帰国いたしました(半日だけの観光でしたが、メトロポリタン美術館とアメリカ自然史博物館を回ることができました)。

   


  大変、刺激的で勉強になる一週間でした。このような貴重な機会を提供してくださった医療・福祉ネットワーク千葉、千葉県病院局の皆様、取りまとめ役をつとめてくださった千葉県救急医療センターの山口聖一先生、我々の研修を受け入れてくださったDr. Fukamachi、そして、思い出に残る研修をさせてくださったクリーブランドクリニックの皆様に心から感謝申し上げます。