がん治療、インターネット使っている?
「ネット利用する」7割超
60代以上も 大いに活用

治療、生活に強い味方


千葉県の患者さん160人に聞きました

NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉が調査
 

              


  がんの治療や薬の情報についてインターネットを使って調べている患者さんや家族の割合が7割を超えていることがNPO法人医療・福祉ネットワーク千葉のアンケート調査で分かりました。年代別では4割が60歳代以上と中高年の方も“おおいに活用”。幅広い年代層にインターネットが闘病の強い味方になっていることがうかがえました。

  アンケートはインターネットががん治療や生活にどのように役立っているかを調べる目的で、H20年9月14日に千葉市で開かれた「千葉県がん患者大集合2008」の会場で参加者に配布し、164人から回答を得ました。


                     女性が4分の3、80歳代以上の利用者も

  治療や闘病生活でインターネットを「よく利用する」と答えた人は76人、「たまに利用する」は42人、合わせると116人(72%)に上りました。このうち、年代や性別などの質問にも回答していただいた方106人に絞ってみると、40−50歳代が最多の44%、60歳代以上も40%を占めました。男女比で女性が80人で75%、女性の年代は半数が40−50歳代で、男性では半数が60−70歳代、80歳代以上でも5人(すべて男性)が利用すると答えています。回答者のがんの部位別では、女性の乳がんが目立ちました。

 一方、「利用しない」と答えた43人(26%)の内訳では8割近くが60代以上の高齢者で、パソコンを持っていないなどの理由が挙がっていました。
 
 





 
 



 

  がんの治療を進めるには、検査や投薬、手術など医学的、専門的な情報がまず必要になります。一方で、患者さんにとっては退院後の日常生活などで不安や疑問も多いはずです。アンケートではインターネット利用者に治療そのものと、それ以外の情報をそれぞれどのようなサイトで得ているかも聞きました。

                     治療では、国立がんセンターのサイトが1位

  治療そのものについてよく見るサイトは、選んだ人が多い順に1位・国立がんセンターのがん情報サービス、2位・がん情報サイト、3位・がんサポート情報センターが上がりました。そのほか、「研究者や学会の文献」(40−50歳代女性)、「アメリカの病院のホームページをじかに見ている」(40−50歳代女性)との意見もありました。

                      


                        治療以外は、YAHOO!やGoogleで


  治療や薬以外の情報についてよく見るホームページは、1位・YAHOO!などのポータルサイト、2位・Googleなどの検索サイト、3位・朝日・読売などの新聞社サイが上がり、一般に広く利用されている検索サイトから身近な情報を得る傾向にあるようです。そのほか、各ブログサイトや「患者会のホームページ」、「You Tubeといった動画サイト」(40−50代女性)を見ているという声もありました。


                       



  インターネットを利用する人もしない人も、どのような情報をネットから得たいと思っているのでしょうか。アンケートでは10項目に分けて質問を投げかけてみました。患者さんやご家族が選んだ数が多い順に、1位・治療や検査の方法、2位・病院や医師の情報、3位・薬の情報と、上位は治療や薬などの専門的な内容と治療を受ける病院選びについての情報が欲しいという傾向が強く表れました。


                   


                          患者さん同士の交流をネットで
  
  寄せられたご意見からは、「患者さん同士で意見交換したい」、「患者さんの体験談を知りたい」といった患者さん同士の交流を求めるものが目立ち、ピアカウンセリングや相談の場としてもネットを利用したい方が多いことが分かりました。また、「効率の良い栄養の摂り方について」(40‐50歳代女性)、「治療中に起きる症状が心配なものかどうか」(60−70歳代女性)、「相性の良い先生の見つけ方」(40−50歳代女性)など、医師などには直接聞きにくい内容についてネットを使って解決していきたいという患者さんの本音もうかがえました。


  最後になりましが、アンケートにご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。結果の一部をここに紹介させていただきました。ご意見、ご質問などありましたら、お気軽におたずねいただけますようお願いいたします。