【骨・軟部腫瘍研究基金】骨・軟部肉腫の基礎研究や最新治療、イギリス・バーミンガムでの研修報告。千葉県がんセンター整形外科・木下英幸先生によるレポート

NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の「骨・軟部腫瘍研究基金」事業で、研究・治療に取り組んでいる千葉県がんセンター整形外科医長の木下英幸先生より、2023~2024年度の研究や治療の成果や近況について、レポートをいただきました。当基金にご支援、ご協力いただている皆様にお知らせします。

2024年度 「骨・軟部腫瘍研究基金」助成研究プロジェクト(PDF)
千葉県がんセンター整形外科医長 木下英幸

イギリス・バーミンガム、The Royal Orthopaedic Hospitalでの研修
半年間で200例以上の手術に手洗い参加

今回の報告では、2023年10月~2024年3月まで半年間、千葉県がんセンターからの研修生としてイギリス・バーミンガムに滞在し、ROH(The Royal Orthopaedic Hospital)にて臨んだ留学について紹介しています。ROHは、骨・軟部腫瘍の症例が多く集まり日本からの医師の留学も多い病院だそうです。木下先生は、朝から夜まで可能な限り手術に手洗い参加し、その数は200例以上に上ったとのこと。現地での寮生活を通じて、アジアを中心に他国の先生方との交流も楽しい時間になったそうです。勉強や研究、生活や観光なども含めて、充実した滞在の様子は、今後海外での医療研修を希望される方にもとても読み応えのある内容です。

骨・軟部腫瘍の基礎研究、ROHで取り組まれた上腕骨近位部の骨・軟部肉腫切除後の再建術式についての研究なども丁寧に記載いただきました。

木下先生は、2025年度の日本整形外科学会のJOA-AOAトラベリングフェローにも選出され、2025年6月から3週間程度アメリカ中西部の複数の病院を訪問し、研究発表をされる予定です。トラベリングフェローシップは、優れた業績や国際的な学術交流への貢献が評価された医師や研究者が、“日本代表”として海外の最先端の研究や技術を学んだり研究発表する機会を与えられるもので、受け入れ側も学術的なネットワークを拡大するきっかけになるとして歓迎、盛大におもてなしをするそうです。

NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の「骨・軟部腫瘍研究基金」事業は、平成23年度に設立しました。整形外科の先生方による最先端の治療や研究に対して助成し、その成果や新しい情報を発信しています。患者さんやご家族、ご遺族のほか、この研究を支援してくださる一般市民の方からのご寄付をいただき運営しています。がん医療の進展に少しでも貢献できるよう進めてまいります。