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ゴボウは「食物繊維の王様」。通常の調理法だと飲み込みづらい患者さまにとってはちょっとバサバサするのが気になるところです。そんな時は迷わずすりつぶしのピューレにしてしまうのが石原流。皮ごと炒めて煮込んでミキサーへ。土色のゴツゴツしたゴボウが、白くふっくらしたやわ肌のとろとろに変わります。でも、味は素朴なゴボウそのもの。今回は日本人になじみのかつおだしで味をつけました。どこか懐かしくほっとするひと品です。 便秘解消のほか、強壮効果のある「アルギニン」を含んでいるのでスタミナがつきます。 |
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![]() ゴボウ 2本(300g) 玉ねぎ 1個(ゴボウの半分か1/3の量が作りやすいです) かつおだし 市販のだし顆粒などでもOK サラダ油 |
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![]() @ ゴボウを洗い、表面の泥をきれいに落としてから、皮つきのまま1p〜5oの厚さの 輪切りか半月切りにします。水にさらしてあくを抜きます。玉ねぎはくし型に切り分け ておきます。 ![]() ゴボウは細かく切ると、煮込んだ時に早く柔らかくなり、ミキサーも回りやすいです。 |
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A フライパンに油をひき、玉ねぎをこがさないように炒めます。すき通る程度に炒めた ら、続いてゴボウも加えて炒めます。ゴボウ全体に油がまわって、香りたつ程度に火 を通します。 |
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B ゴボウと玉ねぎをお鍋に移し、ひたひたになるぐらいのかつおだし汁を加えていき ます。塩をひとつまみ入れて、鍋にふたをして20分程度煮込みます。途中で時々 かき混ぜます。 |
![]() ![]() コトコト煮込んでね |
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C 鍋底に少し水分が残る状態になったら、火を止めます。粗熱をとってから、まずゴボ ウと玉ねぎだけ取り出しミキサーに移します。具だけだとミキサーが回らないので、 鍋に残っている水分の半分程度をミキサーに入れて、スイッチを入れかくはんしま す。 それでも、ミキサーが回らなかったら、さらに残っている水分や水などを足してい きます。ミキサーがなめらかに回り、ゴボウがとろとろになったら完成です。 ![]() 最後にピューレに混ぜ込みましょう。うまみのエキスは余すところなく使うのが コツです。 ![]() まったく残らない驚くほどにサラサラしたピューレに仕上げることができま す。 ゴボウのもともと食感を味わいたい方、少しかみごたえのあるピューレを 召し上がりたい方は、ミキサーのフラッシュ機能(押している時だけかくは んできる)ボタンを使ってかくはんの度合いを調節してみてください。 |
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D 器に盛りつけ、お好みで塩やしょうゆ、めんつゆなどで少し味をつけていただきます。 ・マヨネーズを少量混ぜていただくとソースがわりにもなります。 ・ピューレに牛乳や水を加えてスープにしてもOK。固くて食べにくゴボウもたっぷり いただけますよ。 |
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![]() ![]() ● かつおだしの代わりにコンソメスープや、鶏ガラスープを使ってゴボウと玉ねぎを煮込むと、和・洋・中それぞれの風味 が楽しめます。 |
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● ゴボウのうまみ成分の「グルタミン酸」はゴボウの皮により多く含まれます。皮はたわしなどで汚れを落とす程度にして 、皮はできだけ残すようにすると、香りも味も良くなりますよ。 ● 玉ねぎは、先にレシピを紹介した「玉ねぎのピューレ」を使うこともできます。ミキサーでかくはんする前に、ピューレ(冷 凍していた場合は電子レンジなどで解凍して)を加えます。 |
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![]() ![]() 9月に千葉市で開かれたがん患者大集合に参加し、でケアフードの試食を提供 しました。 患者さんやご家族と直接お話しし、食事の悩みなどを聞く機会となりました。 ご家族からは、「(患者さん用に)すりつぶすだけで大変な作業」という声もありま した。患者さん用にいちから料理を作ろうとすると、本当に大変ですよね。 例えば、鶏肉とゴボウの煮ものを作る場合に、味付けは最後にして、材料をあ る程度煮こんだ段階で、ゴボウと煮汁を取り出してミキサーに入れてみてくださ い。鶏のだしのきいたピューレが出来上がります。これにトマト味のピューレや チーズを加えれば酸味のきいた別のひと品になります。また、しょうゆ、めんつ ゆなどを少しかけて患者さんの好み味付けに仕上げてもおいしいですよ。もちろ ん、通常通り煮ものを完成させてから、少し取り分けてミキサーに入れてもいい でしょう。 ご家族の食事を作る際に、途中で取り分けてピューレにする方法はオススメです 。そのピューレを基本にしてさまざまなバリエーションの味付けができるからです。 ちょっとした工夫で、患者さんも家族も笑顔になる。それがケアフードの真骨頂 なのです。 |