−「地域医療連携」って何?−



千葉県がんセンター 地域医療連携室
丹内智美

 最近の医療界では「地域医療連携」が流行語ですが、皆さんは耳にしたことがありますか?地域医療連携とは、診療所や病院が地域単位で連携を取って、患者さんに必要な医療を切れ目なく提供することを言います。では、患者さんにとってはどんなメリットがあるのでしょうか?

医療連携には3つのパターンがあります。第1のパターンは、診療所では行うことのできない検査や手術などを病院の専門医へ紹介し、患者さんに必要な医療を提供するための連携です。第2のパターンは、急性期の病院から回復期リハビリ病院などの慢性期病院へ転院する連携です。第3のパターンは、予防、発見、治療、フォローなどを疾患ごとに行う医療機関のネットワークを作り、各医療機関が協力して患者さんを中心にした質の高い医療を提供する連携です。

 千葉県がんセンターでは第3のパターンの医療連携を推進しており、がんの種類ごとに地域の医療機関が協力して患者さん診療を行う「地域チーム医療」を目指しています。この地域チーム医療が患者さんを中心に行われるためには、地域内のどの医療機関で診療を受けてもがん医療の質が保証され、患者さんが安心できることが必須条件です。それを実現するためのツールとして私たちは「地域連携クリティカルパス」を使っています。

 私の講演では、子宮がんと乳がんにおける地域連携クリティカルパスを使用した地域チーム医療についてご紹介します。