【気になる一作・本】「死ぬということ」黒木登志夫(中公新書) 黒木流のぴんぴんごろり?!な死の迎え方とは…。

あらゆる角度から「死」を科学する本
死を見つめることは、いかに生きるかを考えること

日本を代表する医学者でサイエンスライターの黒木登志夫先生(日本学術振興会学術システム研究センター顧問、元岐阜大学学長、東京大学名誉教授)の新刊著書「死ぬということ‐医学的に、実務的に、文学的に」(中公新書)が発刊されました。

「死」という人間にとって最も大きなテーマに向き合った88歳の黒木先生渾身の一冊です。
「死ぬということは、いくら考えても分からない」、そんな先生の一言から始まります。この世に生まれるということの偶然性、そして老化、死を迎えることの必然性。がん、循環器疾患、糖尿病、認知症などの命を揺るがす疾患のこと。「死」がテーマではありますが、憂鬱になる内容ではありません。短歌や文学作品、映画の話、そして黒木先生のユーモアあふれる“つぶやき”が随所に散りばめられています。死をテーマにしながらもいかに生きるかを考える、そして死をも楽しんでみる、そんな意気込みを感じる作品です。ぜひ皆様にもお手に取っていただきたいと思います。