【千葉県がん患者大集合】2022.11.3 第13回千葉県がん患者大集合を開催。「痛みを我慢しないで」がんの疼痛治療はタイミングがすべて。
第13回千葉県がん患者大集合2022は、11月3日(木)、千葉県がんセンター旧事務局棟会議室2階で開かれました。「がまんしていませんか?がんの痛み~薬、神経ブロック、放射線」をテーマに、がんに伴う痛みへの向き合い方について、2名の医師が講演しました。千葉県がん患者大集合2022実行委員会が主催しました。当NPO法人も共催団体として参画しました。
痛みへの対処、早い段階から神経ブロックも検討を
最初の講演は、沖縄中部徳洲会病院統合麻酔診療部/疼痛治療科統括部長の服部政治氏。「がん疼痛治療 色々な治療法があることを知っておきましょう」と題して、がんの疼痛治療の適切なタイミングと、薬と神経ブロックの組み合わせ方を紹介しました。服部氏は、「がん治療中の比較的普通に生活できる状態の時から神経ブロックなどの治療を取り入れるのが良い。医療用麻薬の使用量も減らすことが可能になる」と説明しました。痛みを上手に減らすことで、週末期も自宅に長く滞在することが可能になった例や、痛みに耐えながら立ったまま食事をしていた患者さんが座ったり仰向けに寝たりできQOLが上がった例などを紹介しました。また、医師として、「患者中心の医療の実現のために、患者さんに何がしてあげられるかではなく、患者さんが何を必要としているのかを最優先に考えている」ことを語りました。
緩和的放射線治療、体への負担も軽くQOLもアップ
続いて、聖マリアンナ医科大学放射線治療科の中村直樹氏が「こわくない緩和的放射線治療」と題して講演。放射線科医師の役割について、放射線の種類、放射線治療のメカニズム、放射能と放射線の違いなど、基本的な内容から丁寧に説明していただきました。痛みに対して、症状の改善や予防、QOLの改善や維持を目的にした「緩和的放射線治療」について解説しました。根治的放射線治療は、がん細胞をできるだけ多く殺すために可能な限りの高線量を投与するのに対して、緩和的放射線治療は、ほどほどの線量で患者さんの痛みの程度に合わせて投与する治療。タイミングを見計らって効果的に投与するため、副作用も抑えることができるといいます。
千葉県がん患者大集合では、このほか、熊谷俊人知事によるあいさつ、千葉県健康福祉部健康づくり支援課がん対策班班長の塚本順一郎氏よる「千葉県がん対策推進計画(第3期)中間評価報告」について説明がありました。