2022.11.13 乳がん体験者の会「アイビー千葉」創立40周年記念、未来へのヒストリーがここから始まる
乳がん体験者でつくる「アイビー千葉」が2022年で40周年を迎えました。乳がんの患者さん同士、悩みや不安を分かち合い、がんのことや療養生活のことを学びながら交流を深めてきたアイビー千葉。11月13日には記念式を開き、「40年のヒストリー、未来へのヒストリー」をテーマに講演会と対談を行いました。乳がんを経験して「あけぼの会」に入会し、その後、アイビー千葉の代表を32年間務め、患者さんに寄り添ってきた齋藤とし子さん。齋藤さんと長年親交のある大西真澄さん(NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉常任理事・元千葉県がんセンター看護局長)に、記念式当日の様子と、齋藤さんのアイビー千葉でのこれまでの取り組みや生き方、思い出などをリポートしていただきます。
齋藤とし子さん「乳がん体験は人生を豊かにした原点」
「アイビー千葉(乳がん体験者の会)創立40周年記念対談」が稲毛区ボランティアセンターで2022年11月13日(日)に開催され、参加してきました。コロナ禍の中での開催準備は大変だったと思いますが、会場に29名、オンラインで13名の方々が集っていました。
第1部は、講演「なかまから貰った力」 齋藤とし子さん(前代表)。第2部は、対談「患者力について、これからのストーリー等」で、齋藤とし子さんと、新たに共同代表になられた関口淳子さん、川本由記子さん、野村まきさんという構成で会は進められました。講演では、時代の流れに沿ってたくさんの体験をされ患者会をまとめてきたこと、そして、齋藤さんご自身の乳がん経験は人生を豊かにした原点であったことなど、40年間のヒストリーを語っておられました。乳がん当事者の方々が、「アイビー千葉」と繋がりたいと思える活動(多方面にわたる各種の取り組み)がなされてきたのです。32年間という長期にわたり代表を務められてきた齋藤さんに敬服し、何物にも代えがたい社会貢献をされてきたことにただただ脱帽します。
対談は、温かい雰囲気の中で新旧代表の引継ぎが公開の場で行われ、患者会の40周年記念と重なってタイミングよく次世代にバトンタッチされていました。3人の共同代表の方々が、それぞれ積み重ねられてきたこと(「患者力」)をもとに、これからの「アイビー千葉」の新たなストーリーが展開されていくのだと期待が高まりました。
共同代表3名のイラストは、アイビー千葉フェイスブックより転載させていただきました。3名の共同代表それぞれの表情をとても良く表したイラストです。アイビー千葉のホームページには様々な取り組みが掲載されています。ぜひ一度ご覧になってみてください。
特記事項として、「アイビー千葉創立40周年記念冊子」、乳がん体験記(19名の会員の方々)「ひだまり」が発刊されました。
この表紙と中の素敵な絵は、齋藤とし子さんがアイパッドで描いたもので、ぜひ手に取って読んでいただきたいと思いました。加えて、この冊子は、我々NPO医療・福祉ネットワーク千葉の助成金を元に作成されたと伺いました。
さらに補足として、齋藤とし子さんは我々NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の理事さんです。また、千葉県がんセンターの患者相談支援センターに在勤した経歴もあり、「千葉県がんピアサポーター」の活動を共に行ってきた方でもあります。
今回の講演会を聞きながら、思い出したことがあります。それは、H24年10月に奈良県橿原市で開催された「がん政策サミット」(主催・埴岡健一さん)に齋藤さんに誘われ一緒に奈良を旅したことです。全国から、患者当事者・行政・医療者が一堂に会した場で、「がん対策基本法」が制定され、医療政策や対策に患者・住民も参画し、協働するためにどのように行動するかといった内容で討議され、とっても刺激されました。以下の写真は、会議に参加した後、歴史深い奈良を巡った時の一部です。
齋藤さんは、「アイビー千葉」顧問としてこれからも活動されます。体調管理に留意され、ますますその「患者力」を発揮していかれますよう祈念しております。
(記 大西眞澄)