【東日本大震災・医療支援】宮城県石巻市大指地区で復興のシンボル「こどもハウス」完成。子供たちの歓声と笑顔がよみがえる。ここで思い切り楽しんで!

津波で壊滅的被害を受けた海辺の町に、子供たちの歓声と笑顔よみがえる
当復興のシンボル「こどもハウス」が完成、学習支援や遊び場として活用
少子高齢化の反対、「多子低齢化」の石巻市大指地区

2011年3月11日の東日本大震災から1年。当NPO法人では、発生直後から被災した宮城県石巻市での医療支援などを続けてきました。その一環として、ノンフィクション作家の山根一眞さんらとともに取り組んだ「大指(おおざし)復興支援アクション」の一つ、「子どもハウス」建設のエピソードを紹介します。昨年12月に完成しました。

NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の増山理事からこどもハウスの「鍵」を受け取る子供達

“多子低齢化”の大指、日本の将来モデルにしたい
大指復興アクションを発足

石巻市北上町十三浜、大指地区は仙台から車で2時間、牡鹿半島の北側にある小さな漁村です。震災後の4月20日に、当NPO法人理事の増山茂、山根さん、浦安商工会議所会頭の柳内光子さんらがヘリコプターで東北の被災地を回り、石巻市長とも懇談しました。石巻市は最も死者が多かった地域ですが、中でも海岸沿いの十三浜大指地区は津波で壊滅的被害を受けていました。大指集落は小さいためか、完全に復興支援から取り残された感がありました。しかも避難所であり皆が集う場でもあった「林業センター」が行政の指示で閉鎖されることになり、大指コミュニティーは崩壊の危機に立たされたのです。 しかし、大指は38所帯と少ないのですが、住民180人のうち子供が50人と、「多子低齢化」の集落なのです。山根さんは「少子高齢化」で衰退している日本の望ましい未来を示すモデルが「多子低齢化」の大指のあると考え、「大指復興アクション」を立ち上げました。

まず子供ハウス建設
10月に計画、12月に完成

山根さんは、大指復旧復興のためにはまず子供たちの支援だと考え、大指の住民の皆さんと協議に協議を重ね、学習支援や遊びのための「大指十三浜こどもハウス」の建設を計画しました。 10月に計画策定、12月に完成 子供たちにクリスマスプレゼント 私たちのNPO法人もこの事業に全面的に協力し、増山理事が何回も現地に足を運びました。そして計画の概要が10月に決まり、11月3日には地鎮祭が施行されました。なんとか子供たちにクリスマスをプレゼントしたいとの関係各位の熱意が実り、12月19日に石巻市の建築完了検査を無事終了。12月22日には竣工式と祝賀会が開催されました。「大指十三浜子どもハウス」は広く、中で遊びまわったり、サッカーなどに興じる子供たちのにぎやかな歓声が響き渡りました。写真はその竣工式の模様です。

(NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉理事長 竜崇正)

 

子どもたちと歓談する作家の山根さん(左)

津波で壊滅的な被害を受けた大指