【ケアフード】2019.7.4 第9回夏のシャーベット祭りを開きました
冷たいシャーベットで気分もお口の中もさわやかに
恒例行事となりつつある当法人主催のケアフードの無料試食会「夏のシャーベット祭りin千葉県がんセンター」。千葉県がんセンターを会場に開いて、今年で第9回目となりました。夏の暑い時期に、なかなか食事をとることができないという患者さんの要望に応えて、栄養、水分補給の助けになればとの思いで続けてきました。
4日は、朝から梅雨空の広がる日でしたが、祭りの開始となる午前10時には満席となり、開会のあいさつもそこそこに、参加者の皆様に前菜とデザート2種類をふるまい、味わっていただきました。トマトとパイナップルのシャーベット、苺ブランマンジェのカモミールジュレ添えの2種類です。
第9回夏のシャーベット祭りin千葉県がんセンター 提供レシピ(pdf)はこちらから
フレンチレストラン「シェケン」とコラボレーションで試作
ケアフードの試食品は、千葉市若葉区にあるフレンチレストラン「シェケン」さんと一緒に考案しています。今回も、シェケンのシェフに依頼しながら、何度も試作を重ねた試行錯誤の一品をご用意しました。「トマトとパイナップルのシャーベット」は、生のトマトを丁寧にこして、濃厚なジュース部分を取り出したものを滑らかにしています。パイナップルも同様にミキサーにかけて、トマトと同じタイミングで溶けるようにと工夫を重ねました。のど越しも良い仕上がりです。
「苺のブランマンジェ」は、ミルクの優しい味、ほんのりと感じられるイチゴ風味が特徴です。イチゴはあまり多く入れるとイチゴの味が強くなります。カモミールのハーブの香りはリラックス効果があるので、その効果を感じていただくためにも、イチゴは「ほんのり」です。
シャーベット祭りは千葉県がんセンター1階を会場に開いています。いつもはテーブル1つの広い空間ですが、この日はテーブルやいす、調理台などをセッティングして飾りつけ、音楽も流してカフェに早変わりします。外来で受診の合間に寄られる方、入院中のお部屋から看護師さんやご家族と一緒にいらっしゃる方、車いすの方、点滴のキャスターを引きながらもいらしてくださる方、みなさんデザートを口に含みながら、ゆっくりとした時間を過ごされていかれます。患者さん方にデザートを提供しながら、お話しするのが私たちにとってもとても有難い時間です。
がん患者さんの食事の悩みを受け止める
がんの患者さんにとって、治療中、治療後の食事の悩みは尽きません。ただでさえ、治療のことで不安や悩みを抱えていて食欲もいつも通りとはいかないのに、術後で消化器の機能が十分に回復してい場合や、抗がん剤の副作用による味覚の変化や口内炎などの要素も加わって、なかなか思うように食事が進みません。免疫力を付けないと、と頑張って食べる方もいらっしゃいますが、楽しかったはずの食事がいつの間にか苦痛であったりすることも多いわけです。そんな方の不安や医師には直接言いにくい悩みを受け止めるのが私たちの役割だと思っています。
皆さまから書いていただいたアンケートを読ませていただき、がん治療と両立できる食事の工夫、レシピの開発、楽しみ方の提案に生かしていきたいと思います。
このシャーベット祭りの開催にあたって、ご協力いただいたシェケン様、千葉県がんセンターの各部局の皆様、栄養的な分析とアドバイスをいただいた栄養科様、当日のお手伝いをいただいたボランティアの皆様に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。