平成27年度 患者会・患者サロン活動支援助成事業 活動報告
患者会・患者サロン活動支援助成事業
平成27年度 活動報告
千葉県内で活動するがん患者団体や、がん診療連携拠点病院等に設けられた患者サロングループの活動を支援しています。平成27度は、ちばグリーフサポート、千葉肝臓友の会、京葉喉友会、NPO法人支えあう会「α」、千葉県オストミー協会の5団体のほか、継続の千葉県がんセンター患者サロンを含めて6団体を支援しました。各団体の活動内容を紹介します。
ちばグリーフサポート
(助成額 8万円)
大切なご家族や友人をなくした後の心の痛みや苦しみを分かち合う会として発足した団体です。死別体験の悲しみや苦しみをなかなか話せない、話しても分かってもらえない…という気持ちを持つ人が多く、同じ体験をした人同士が語り合い、分かち合うことで少しでも心を軽くし、前向きに生きていけるようにという趣旨で、月に一回の集まりや講演会などを開いています。
今年度は、会の設立一周年を記念して平成28年2月に、生と死を考える会全国協議会副会長で麗澤大学名誉教授の水野治太郎氏を講師に招いた講演会を千葉市きぼーるにて開催しました。「悲しみを語る、語り直す」をテーマにナラティブアプローチを使って、これまでの体験を物語として語りながら、これからの新たな生き方を模索していく方法を助言しました。
京葉喉友会
(助成額 8万円)
京葉喉友会は、喉頭がんや食道がんを患い喉頭摘出などで声を失った方が集い、発声練習をしたり、親睦を深める活動を続けています。特徴的な活動としては、千葉県から「音声機能障害者発声訓練事業」の委託を受けて、声を失った方の発声講習会を毎週開いています。年間40回を超える講習会には、県内各所から毎回約80人が参加します。
今年度は、助成金を活用してワイヤレスの拡声器・ギガフォーンマイク(拡声器)を2台購入しました。小さな声でも音量を上げることで、講習会での会話が聞こえやすくなりました。発声練習の一助として活用されるそうです。今後も、声をなくした患者さんが「第二の声」を取り戻して、また人生を楽しめるようにするお手伝いを進めていきたいとのことです。
発声練習の様子です。
京葉喉友会の発声練習の様子を取材した当法人のニュースレター(PDF)
千葉肝臓友の会
(助成額 8万円)
千葉肝臓友の会は、肝臓病患者さん(主にウイルス性肝炎)の親睦・交流・情報交換を目的とする患者団体です。医療相談会、講演会を開催したり、電話や面談によるきめ細かい相談にも応じています。このほか、新治療技術や治療薬の開発、治療体制の整備、保険適用範囲の拡大について、患者さんの要望を国の政策にも反映させるための請願活動も行っています。自治体や保健所にもていねいな働きかけを行い、行政と連携しながらよりよい治療を続けられるような仕組みを考えています。
今年度の助成金を活用して、医療相談会や会員交流会を開きました。肝臓病専門の医師を講師に招いた講演会や病状についての相談会を設けました。新薬を使った治療対策、最新の飲み薬を使った肝臓がん予防対策などをテーマにを取り上げ、理解を深めました。
- 平成27年6月21日(日)13:30~16:00 船橋市勤労市民センターにて
参加者29名
矢野光雄相談役を囲み、肝がん防止、新薬の治療対策についてアドバイスをいただく - 平成27年11月15日(土)13:30~16:30 野田市公民館ホールにて
参加者88名
キッコーマン総合病院・三上繁先生(院長代理)講演会
最新の飲み薬を中心とした肝がん防止対策のお話と、参加者全員の質問への回答を含めた相談会 - 平成27年12月6日(日)13:30~16:00 船橋市勤労市民センターにて
参加者33名
矢野光雄相談役を囲み、肝臓がんの予防、治療対策を中心とした相談会
NPO法人 支えあう会「α」
(助成額 8万円)
支えあう会「α」は、がん体験者を中心に、医療関係者、がんに関心を持つ人達が集まって交流を深めています。がんの部位や立場は問いません。病気を抱えながら生きることの難しさやそれを支えることの困難さに共感し合い、各人が「自分らしく納得して最後まで生きる」ことを目指して、仲間同士で支え合う活動を続けています。“がん”を体験しなければ、決して出会うことのなかった人たちが、職業や地域、世代、価値観を超えて集い、生老病死を語り合う場。生きにくさや苦悩を分かち合い、励まし合いながら改めて命と向き合い続けています。
平成26年度は、主に千葉大学西千葉キャンパス、千葉大学附属病院での患者サロン活動やわかちあいサロン、相談支援の活動を行いました。病院での患者サロンのお手伝いを通じて、患者さんをサポート。その後「α」の活動にも参加する方もおられるとのことで、継続的な患者支援を行っています。オールジャンルで、幅広くがん患者さんやご家族が治療に理解を深め、前向きに取り組んでいけるようにと会員やサポーターがきめ細かく対応しています。
毎年開催している専門家を招いた連続講座は、4回開催。がんと遺伝、抗がん剤、白血病などをテーマに最新の治療法を知り、ざっくばらんに質問できるコーナーなどを設けています。
千葉県オストミー協会
(助成額 8万円)
千葉県オストミー協会は、公益社団法人 日本オストミー協会の千葉県支部として発足しました。大腸がん、膀胱がんなどにより人工肛門、人口膀胱の保有者となった方が安心して暮らせる社会を目指すことを目的とする障害者団体です。治療や社会復帰、QOLの向上を図るための様々な活動を行っています。講演会や勉強会、交流会のほか、オストメイト対応のトイレの普及などを進めています。
毎週月、火、金曜日の週三回、電話相談を実施。(平成27年度は167日開設)
出張相談も設け、毎月第4水曜日は船橋にて開催しています。
女性専用のオストメイトサロンは、月1回習志野市にて開催。
ストマ装具の着け方や、生活上の困ったことなどを患者さん同士分かち合い、知識と経験豊富な相談員がアドバイスしたり、情報を提供したりしています。ストマを装着することへの不安は大きく、手術前に相談を受けることもあるといいます。退院後の生活に対する悩みも多いので、仲間同士の交流や相談が大きな支えとなっています。
相談を受けるサポーターの研修も実施しました。患者さんからのお話を受容しながら聞く傾聴の専門家や、医師、看護師を講師に招いて相談技能のスキルアップを図りました。相談員を務める会員の中には、千葉県ピアサポーターのメンバーもおり、講師となって相談を受ける際の留意点を伝える機会も設けました。
千葉県がんセンター患者サロン
(助成額 10万円 昨年度からの継続)
毎月第4木曜日10:00~12:00、千葉県がんセンター内の1階売店奥の会議室で開催。千葉県がんセンターで治療を受けている、あるいは以前治療を受けたことがある患者さん、ご家族が参加することができます。患者さんの有志が世話人となって運営し、患者さんが悩みを話したり、相談したりする座談会や医師を交えたざっくばらんなおしゃべり会などを企画しています。世話人の方が発行しているニュースレター「患者サロンだより」で、活動の様子を公開しています。