【ステイin千葉も楽しもう♪】千葉県立中央博物館と生態園で気分は“らんまん”。牧野富太郎になりきって、草花とおしゃべりでもしよう!
この春のNHK朝の連続テレビ小説は「らんまん」。幕末から明治、大正、昭和を生き抜き、日本の植物学の父と称される牧野富太郎先生を主人公にしたドラマです。牧野先生は千葉にもゆかりのある方です。青葉の森公園内にある千葉県立中央博物館が設立されたきっかけも、元をたどっていくと、明治期に房総の植物について詳細に調査した牧野先生の存在が見えてきます。今回は春爛漫の青葉の森公園と、県立中央博物館で開催されている春の展示「ちばの植物 探・検・隊!」を中心に、隣接する生態園の様子もご紹介します。NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉スタッフの写真とエッセイです。
さあ、植物を調べる旅にでかけよう!
千葉県立中央博物館と生態園を歩く
春の展示「ちばの植物 探・検・隊!」では、起伏に富んだ房総丘陵の山奥から市街地まで多様な環境で生育する植物を紹介しています。千葉には2500種類以上の植物が見つかっています。
「雑草という草はない。草にはみんな名前がある」
ワクワクの植物採集も、装備や道具もいろいろあり、結構過酷な環境で耐えながらの作業だと分かります。山奥に分け入っていく先に新しい品種との出会いがある…。
「らんまん」にも登場している、植物を入れるお弁当箱のようなアルミケースも間近で見ることができます。体に添うような構造になっていて、蓋も開けやすそうでとても機能的。
標本づくりの実際。細かい作業です。
牧野富太郎先生が実際に採集した標本です。130年以上前のものです。
トゲのある雑草ワルナスビの標本。葉の形がナスの葉に似ていますが、触ると痛いです…。命名したのは牧野先生。ネーミングが面白いですね。
牧野富太郎先生コーナー
千葉の人々との出会い、研究…そして県立中央博物館の設立へ
牧野富太郎先生。白いシャツに蝶ネクタイ、ベストも着ています。植物に対して畏敬の念を示すため、正装で採集に出かけていたと聞きます。
房総の植物研究は明治中期頃から活発になります。牧野先生も市川市や印旛沼を訪れてさかんに調査を行っていたようです。個人で活動していた千葉県博物採集会と一緒に小舟に乗って観察や採集を行っている様子が写真で残っています。月一回の採集報告会を開いて標本鑑定や研究発表を行うなど活動も盛んになっていきました。
戦後は、千葉県生物学会が発足し、目録や植物誌づくりも行われるようになります。子供たちによる生物の研究発表会にも力を入れ、すそ野が広がってきました。植物の標本を有効に利用したり、研究の情報収集拠点として、千葉県立中央博物館設立への気運が高まり、1989年に開館する運びとなりました。牧野先生の植物への愛情と研究に対する情熱が今もちゃんと受け継がれている、博物館内を歩くとそのことがひしひしと伝わってきます。
常設展も迫力あり!
ナウマンゾウやクジラの骨格標本もお目見え
平日昼間の博物館は人も少なく、この標本コーナーもほぼ独り占め。なかなかの迫力で一人ぼっちはちょっと怖いくらいです。
植物の宝石箱、生態園
博物館に隣接する生態園にも立ち寄ります。この季節は、芽吹いた草木が青々とした緑に色づき、生い茂り、日向と木陰をちょうどよいバランスで楽しめます。
入口のオリエンテーションハウスを右手に奥に進むと森への入り口があります。海水辺や砂地の植生、照葉樹林、落葉広葉樹林、シラカシの林、そして舟田池と大きく5つのテーマに分かれています。植物を紹介し見せる植物園とは異なり、植物も動物もありのままの姿、生態系の一員として生きている姿を見せるのが生態園です。食べられている葉っぱも、落ち葉も、蜘蛛の巣もそのままです。
よーく観察すると、見えてくる…
木立を見上げ、足元の草花と対話しながら歩いていると、次第に真の姿が見えてきます!
草花から得たインスピレーションをもとに、一言メッセージも添えられています。
竜のように幹をよじ登るツタ
東屋で一休み。
舟田池と観察舎
明るい野原を抜けて戻ります。
青葉の森公園に戻って…新たな発見も
ハンカチノキをご存じですか。4月下旬から5月にかけて白い大きな布のような「苞葉(ほうよう)」が一面にぶら下がるのが特徴です。
この日は、もう白い苞葉はすべて落ちていました。平成29年10月の台風で根本から折れ、倒れてしまったことがあります。復活をさせようと、樹木医をはじめ多くの方の尽力で治療が行われました。見事に復活し、今では毎年白い苞葉が一面につくようになりました。
ハンカチノキは中国四川省で発見された品種で、日本では小石川植物園に日本最古のハンカチノキがあります。青葉公園のハンカチノキは小石川植物園から枝を分けてもらったものです。
わんぱく広場の遊具も新しくなりました。
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