平成29年度 患者会・患者サロン活動支援助成事業 活動報告
患者会・患者サロン活動支援助成事業
平成29年度 活動報告
千葉県内で活動するがん患者団体や、がん診療連携拠点病院等に設けられた患者サロングループの活動を支援しています。平成29度は、千葉肝臓友の会、京葉喉友会、NPO法人支えあう会「α」、千葉県オストミー協会、市民ボランティアグループ「金平糖」の5団体のほか、継続の千葉県がんセンター患者サロンを含めて6団体を支援しました。各団体の活動内容を紹介します。
京葉喉友会
(助成額 99,000円)
京葉喉友会は、喉頭がんや食道がんを患い喉頭摘出などで声を失った方が集い、発声練習をしたり、親睦を深める活動を続けています。特徴的な活動としては、千葉県から「音声機能障害者発声訓練事業」の委託を受けて、声を失った方の発声講習会を毎週開いています。年間40回を超える講習会には、県内各所から毎回約80人が参加します。
今年度は、9月25日~27日の3日間、喉頭摘出者団体のうち東日本ブロックの集合研修会、交流親睦会に参加しました。今年は、群馬県「群鈴会」が開催担当で、前橋市で開催されました。研修では、群馬大学病院耳鼻咽喉科の先生による講演会や、食道発声・電気式人工喉頭による発声・シャント発声法などをテーマに意見交換したりしました。参加したメンバーからは、「今後の発声指導に自信と意欲を持つことができた」などの声が聞かれました。
千葉肝臓友の会
(助成額 10万円)
千葉肝臓友の会は、肝臓病患者さん(主にウイルス性肝炎)の親睦・交流・情報交換を目的とする患者団体です。医療相談会、講演会を開催したり、電話や面談によるきめ細かい相談にも応じています。このほか、新治療技術や治療薬の開発、治療体制の整備、保険適用範囲の拡大について、患者さんの要望を国の政策にも反映させるための請願活動も行っています。自治体や保健所にもていねいな働きかけを行い、行政と連携しながらよりよい治療を続けられるような仕組みを考えています。
今年度の助成金を活用して、医療相談会や会員交流会を開きました。肝臓病専門の医師を講師に招いた講演会や病状についての相談会を設けました。新薬を使った治療対策、最新の飲み薬を使った肝臓がん予防対策などをテーマにを取り上げ、理解を深めました。
- 平成29年6月11日(日)13:30~16:00 船橋市本町4丁目会館1階
参加者25名
矢野光雄先生(アドバイザー)を囲んで、肝がん防止、新薬の治療対策についてアドバイスをいただいた。参加者全員が日ごろの疑問や心配ごとを語り合い、質問に対して丁寧な回答をいただきました。矢野先生からは、特にウイルス排除後の定期検査の重要性についての話がありました。 - 平成29年12月10日(日)13:30~16:30 船橋市本町4丁目会館1階
参加者23名
矢野光雄先生(アドバイザー)を囲んで、肝臓がん予防、治療対策についてのお話を聞きました。
参加者全員でざっくばらんに話をし、個別相談にも丁寧にお答えいただきました。特に、非代償性肝硬変、肝がんの治療方法や治療薬についての質問が多く挙がりました。
NPO法人 支えあう会「α」
(助成額 10万円)
支えあう会「α」は、がん体験者を中心に、医療関係者、がんに関心を持つ人達が集まって交流を深めています。がんの部位や立場は問いません。病気を抱えながら生きることの難しさやそれを支えることの困難さに共感し合い、各人が「自分らしく納得して最後まで生きる」ことを目指して、仲間同士で支え合う活動を続けています。“がん”を体験しなければ、決して出会うことのなかった人たちが、職業や地域、世代、価値観を超えて集い、生老病死を語り合う場。生きにくさや苦悩を分かち合い、励まし合いながら改めて命と向き合い続けています。
平成29年度は、患者サロン活動やわかちあいサロン、相談支援の活動を行いました。病院での患者サロンのお手伝いを通じて、患者さんをサポート。その後「α」の活動にも参加する方もおられるとのことで、継続的な患者支援を行っています。オールジャンルで、幅広くがん患者さんやご家族が治療に理解を深め、前向きに取り組んでいけるようにと会員やサポーターがきめ細かく対応しています。
毎年開催している専門家を招いた連続講座は、3回開催。抗がん剤、放射線治療、すい臓がんなどをテーマに最新の治療法を知り、ざっくばらんに質問できるコーナーなどを設けました。また、立場別サロンではがん種に合わせてサロンを開き、共通の悩みや不安をより分かち合えるようにしました。このほか、気功教室やお茶会などの楽しみの会も設け、患者さんの学びと癒しの場を提供しました。
千葉県オストミー協会
(助成額 10万円)
千葉県オストミー協会は、公益社団法人 日本オストミー協会の千葉県支部として発足しました。大腸がん、膀胱がんなどにより人工肛門、人口膀胱の保有者となった方が安心して暮らせる社会を目指すことを目的とする障害者団体です。治療や社会復帰、QOLの向上を図るための様々な活動を行っています。講演会や勉強会、交流会のほか、オストメイト対応のトイレの普及などを進めています。
千葉県社会福祉センター内の事務所で、週3回の「サロン」を開催(平成29年度は156回開催)。オストメイトの悩みや日常生活についての情報交換を行っています。電話相談も受けています。隔月で会報も発行しており、サロンへの参加を呼び掛けています。会員以外の術後日の浅い患者さんからも参加されるようになってきました。仲間が顔を合わせて語り合うことで、悩みに寄り添い、気を休めるきっかけとなっています。
市民ボランティアグループ「金平糖」
(助成額 3万円)
金平糖は、千葉市と船橋市を中心に医療や介護に携わるスタッフや家族同士が情報交換したり、相談できる活動や場を提供している市民ボランティアグループです。平成23年7月に発足しました。医療や介護の専門職や地域住民、患者さんやご家族が集まり、患者さんが使うタオル帽子などのケアグッズを手作りしたり、食事や生活などの身近なことを学ぶ勉強会や公開講座を開催したりしています。
平成29年度は、ケア帽子やアイスノンカバー、尿バッグカバー、シリンジポンプカバーなど252点を制作し、寄付しました。また、スターバックスコーヒー千葉県がんセンター店の店内で、患者さんやご家族の皆さんとケア帽子を作る会を開催しました。入院生活や治療の合間に、ほっとできる場を作り、喜んでいただけました。
学び合いの場も設け、食にかかわる連続3回講座を開きました。低糖食、有機農業、ケアフードなどがテーマ。当NPO法人も、ケアフードをテーマに講演、試食会を行いました。また、在宅での看取りについても取り上げ、現場医師の講演をお聞きしました。
千葉県がんセンター患者サロン
(助成額 10万円 継続)
毎月第4木曜日10:00~12:00、千葉県がんセンター内の1階売店奥の会議室で開催。千葉県がんセンターで治療を受けている、あるいは以前治療を受けたことがある患者さん、ご家族が参加することができます。患者さんの有志が世話人となって運営し、患者さんが悩みを話したり、相談したりする座談会や医師を交えたざっくばらんなおしゃべり会などを企画しています。世話人の方が発行しているニュースレター「患者サロンだより」で、活動の様子を公開しています。