【Dr.竜が深掘り!読み物編】第二弾vol.2 新しいメセンジャーRNAワクチンのメカニズムー動画対談を読み物にしました
【Dr.竜が深掘り! 千葉発 令和のがん医療】
第二弾vol.2 読み物編
新型コロナワクチン
「m-RNAワクチン」が怖くない理由は…
高野 英行(千葉県がんセンター診療部長/画像診断部医師)
竜 崇正(NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉理事長)
竜先生:
我々NPOのメンバーで千葉県がんセンター診療部長・画像診断部医師の高野英行先生にお話を聞いています。今、最も関心のあるテーマ「新型コロナワクチン」についてお聞きします。今、コロナでみんなワクチンを打ち始めて、予防効果があると思うのですが、中にはこのワクチンが「メッセンジャーRNAに作用して遺伝子に作用するから、いろんな免疫不全が起きたり、自己免疫疾患が起きたりするのではないか?」というようなことを言う人がいます。先生はどのように考えますか。
m-RNAは体内に入っても数日で壊れる
高野先生:
メッセンジャーRNAは壊れやすいものなんです。周りに一般的によくポリトカノールといって、大腸ファイバーの前に飲んだりするもので覆われています。メッセンジャーRNAは壊れやすいので、体の中に入っても、DNAのところには作用しないんですね。しかも、体内に入れると数日で壊れてしまう。動物実験の経過や結果を見ても、遺伝子などに作用することはない。人類の進化の歴史からいっても、ウイルスから来ている遺伝子情報は何パーセントも実はあります。だから感染を繰り返すことで、人類も他の生物も生き長らえてきたというのはあります。感染だけで考えるのであれば、メッセンジャーRNAよりも、ウイルスにかかった方がいろんな遺伝情報が入るわけです。メッセンジャーRNAの今回のワクチンの方が少ない成分しか入ってこないんですね。それは抗原の一部だけで作っているからです。ウイルスそのものとなると、すべての遺伝子のRNAが入ってしまう。
竜先生:
感染した方がより大きく我々の遺伝子に影響があるということですね。メッセンジャーRNAはその一部だけで、それを認識してウイルスをやっつけてくれる。そのメッセンジャーRNA情報はDNAには入らないで、すぐに壊れてしまうので、体への悪影響はないだろうということですね。
新型コロナウイルスを体内に入れるより、何百分の一の情報しか入らない
高野先生:
ウイルスを取り込む方が、より複雑なRNAを体内に入れてしまうので…。そのウイルス自体は体に入れな方がいいですよね。
高野先生:
新型コロナウイルスはRNAウイルスです。コロナに感染すると、長いウイルスのRNA情報が体内に入って増幅します。その中のとげの一部だけを抗原にするために、今回のメッセンジャーRNAを入れる。ウイルスに感染するのに比べ何十分の一、何百分の一の情報だけです。ウイルスに感染すると何十倍、何百倍の遺伝子情報が入ってしまいます。
竜先生:
そうなると、我々の身体のいろいろな変異が起きる可能性がある。
高野先生:
今回のワクチンはメッセンジャーRNAのほんのちょびっとのところなので、実際にコロナに感染することを考えると、身体に対する影響は少ないわけです。