【Dr.竜の診察ノート】オミクロン感染はインフルエンザ感染に変わっただけ、防御を徹底して生活を楽しもう

新型コロナ第7波
オミクロン株、感染者は10倍に増加も死者は減少
高齢者の死亡率も通常と同レベルに

オミクロン株「BA.5」による感染「第7波」が拡大している。7月29日現在、1237万5778人が感染、重症者は376人、死亡者は3万2470人だ。「BA.5」に加えて更に感染力の高い「BA.2.75」が登場し、さらに「第7波」の拡大も危惧されている。

オミクロン株前の2020年9月から2021年6月までの日本の感染者は67万6267人で、死者1万3409人(致死率2%)だった。これに対し、オミクロン株の2021年7月から2022年4月までは、感染者687万9899人と10倍になった。だが、死者は1万2877人(0.18%)と減少した。

年代別の感染者は4月19日時点で、20代から50代は1600人から1850人だが70代は957人、80代は782人と少ない。死者は同日の171人中、80代87人、70代50人。死亡率は70歳以上で3.1%だ。通常の高齢者死亡率は、2019年の統計によれば75歳で1.93%、80歳以上で3.9%だ。

従来、毎年1000万人以上がインフルエンザに感染して、1万人(0.1%)亡くなっていた。しかし、この2年間インフルエンザ感染は激減し、新型コロナウイルス感染に置き換わった。現在、医療逼迫が危惧されている。私の「浦安ふじみクリニック」でも、発熱患者の診察の予約で満杯の状態だ。医療機関受診までにかなりの時間がかかるのでPCR検査や抗原検査は自前でやって、陽性が確認されて数日たってから、やっと受診できる状態だ。症状が消失しても受診希望者が多いのは、医療機関から保健所への届け出が義務化され、保健所に届けての感染証明により医療費が補助されること、職場や学校からの治癒証明の依頼等が原因だ。

コロナとの闘いは続く…
生活を楽しみ、人生に潤いを取り戻そう

これからも新型コロナウイルスとの闘いは続くだろう。恐れることなく、身に着けた感染防御策を生かし、経済再生を目指してコロナ前の生活に戻り、もっと生活を楽しんで人生を潤いのあるものにしていくべきだろう。

※「Dr.竜の診察ノート」は、NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の竜崇正理事長が、浦安市の市民新聞「うらやす情報」に寄稿したものを発行後に編集して掲載しています。