【連載・チーバくんのがん情報局】⑬千葉県がんセンターpart9 画像診断を駆使した血管内治療。最新の血管造影装置を活用
がん対策基本法施行記念
連載・チーバくんのがん情報局
⑬千葉県がんセンターpart9
画像診断を駆使した血管内治療
高野医師:最新の画像診断を駆使した血管内治療について教えるよ。
チーバくん:血管内治療って何?
高野医師:身体への負担を少なくする治療法の一つに、カテーテル(細い管)を使った治療法があるんだ。カテーテルを使って動脈から抗がん剤を流すよ。
チーバくん:そんな細かい作業ができるの?
高野医師:1~2mmほどの細い管をがんの近くの動脈にまで持って行き、抗がん剤を入れるんだよ。
チーバくん:なんで動脈から薬を入れるの?
高野医師:がんは、他の細胞よりも成長が速いから、多くの栄養が必要となる。そのために、新生血管という血管を作るのが特徴だね。この血管に近いところまで、カテーテルを持って行き、そこに抗がん剤を流すのが狙いだよ。そうすれば、抗がん剤による全身の副作用を抑えながら、濃い抗がん剤をがんに流すことができる。そして、塞栓といって、動脈を詰めると、がんに栄養を与えず抗がん剤をその場に置きとどめる効果もあるよ。
チーバくん:そんなすごいことができるんだね。副作用が少なくていいね。どこの病院でもやればいいのにね。
高野医師:肝臓に関しては一般的に行われているんだけど、それ以外の臓器では技術的にもハード的にも難しいかもしれない。最新の血管造影装置がないとできないから、すべての病院でできるわけでもないんだ。
チーバくん:そうなんだね。早く多くの病院でできるようになるといいね。
高野医師:新しい画像診断の技術や血管内治療を専門とする放射線科医師が増えてくれば、広まっていくと思うよ。チーバくん、今日は難しい話も多かったかもしれないけれど、画像診断技術について勉強してみてどうだった?
チーバくん:画像というと、レントゲンの白黒のフィルムのことしか思い浮かばなかったけれど、今は本当にリアルな画像を見ることができることが分かってびっくりです。がん治療に画像診断は必要不可欠なのが良く分かったし、それを使った治療って本当にすごい!
高野医師:画像診断は日々進化しているから、来年来たらもっとびっくりするよ。
チーバくん:本当?!じゃ、来年また来るよ。よもやま博士にいろいろ報告するよ。それじゃ失礼します。ありがとうございました。