竜理事長

NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉理事長 竜 崇正

NPO法人「医療・福祉ネットワーク千葉」は、がん対策基本法が施行された平成19年に設立されました。

がん対策基本法には、1)がんに関する研究の推進。2)がん医療の均てん化の促進。3)がん患者の意向を尊重したがん医療提供体制の整備、が基本理念として掲げられています。当NPOはこのがん対策基本法の基本理念を実行し、人口600万の千葉県民が、あまねく良質ながん医療を受けられるように側面から支援することを目的に設立されました。

がん研究の推進にも、がん医療のレベルアップにも、患者さんの意向を尊重する医療にも費用がかかり、通常の医療費の中では、基本法に盛り込まれた基本理念の実行は極めて困難です。当NPOは、千葉県がんセンターで治療を受けた方達が、がん研究に役立てて欲しいと当時の「がん研究振興基金」に寄付して頂いた浄財をもとに設立されました。県の医療でも、一般病院でもできない、がんの基礎研究、がんの臨床研究、がん研究者の教育、医療と介護施設の連携強化、がん患者団体の支援などに努めてまいりました。

さらには「がん」になっても生活を楽しみ、食を楽しむ文化を醸成したいと考え、美味しくて食べやすい「フレケア食、フレケアフード」を開発。商標登録し、試食会頻回に開催してきました。

がん研究に関しては、千葉県の多くの大学や、がん専門施設からの創意あふれた研究を支援してきました、平成30年度の研究補助は16団体にのぼりました。これら研究をもとにその成果が多くの英文論文となっております。また、がん患者さんの声をがん医療に生かすべく、多くの講演会を開催し、また多くの患者団体を支援し「心暖かで質の高いがん医療の提供」に貢献してきました。

患者情報をクラウドに上げて多職種が連携する在宅緩和医療を浦安で展開し、がん患者さんの78%が希望どおり住み慣れた家で寿命を全うすることができました。この結果も学術論文として発表されました。

当NPOは設立10年で、多くの成果を上げてきましたが、がん医療が種々進歩している中、私達の役割は益々重要になると考えています。 皆様のご理解とご支援をお願いいたします。

 

竜 崇正(りゅう・むねまさ)
1943年11月1日生
千葉大学医学部卒。医学博士。
昭和46年4月  千葉大学医学部第二外科入局
昭和61年4月  千葉県がんセンター消化器外科 主任医長
平成4年7月  国立がんセンター東病院 手術部長
平成12年4月  千葉県立佐原病院 院長
平成17年4月  千葉県がんセンター長
平成19年8月  NPO法人 医療・福祉ネットワーク千葉 常任理事
平成22年4月~  NPO法人 医療・福祉ネットワー千葉 理事長
現在      浦安ふじみクリニック院長

学会活動
日本消化器外科学会評議員、日本腹部救急学会評議員、
日本消化器病学会評議員、日本肝癌研究会幹事、日本肝胆膵外科学会幹事
手術手技研究会幹事、日本胆道学会