【Dr.竜が深掘り!読み物編】第七弾 美味しく食べたいに応えたい!がん患者さんを支える栄養治療。対談を読み物にしました。

【Dr.竜が深掘り!千葉発 令和のがん医療】第七弾 読み物編
美味しく食べたいに応えたい!がん患者さんを支える栄養治療
鍋谷圭宏氏(千葉県がんセンター副病院長)

※第七弾 対談動画はこちらからご覧になれます。(You Tubeリンク)

竜:今日は外科栄養の第一人者で、食道がんの治療の第一人者でもある鍋谷先生においでいただきました。鍋谷先生は千葉大学医学部の卒業で、私の出た第二外科の後輩、17年下ということもあって親しく感じております。
昔は、食道がんになると栄養状態が悪くなりガリガリになるから、胃に穴開けて(胃婁)栄養管理をしてから治療が行われていました。その時代から、中心静脈栄養や経腸栄養へと進歩してきました。栄養失調で治療ができない人も大勢いた時代で、外科栄養法の進歩によって、治療対象も大きく広がってきて、手術の安全性も増してきました。今日では、栄養不良で治療できない方というのは少なくなりました。その時代を切り開いている鍋谷先生です。今日は、栄養法の進歩と、がんの治療における栄養の意義についてお聞きしたいと思います。
まず、鍋谷先生、2021年に学会を開きましたね。

日本臨床栄養代謝学会を開催して

鍋谷:日本臨床栄養代謝学会です。これは、その昔、千葉大学第二外科の佐藤教授が立ち上げた経腸栄養研究会と、静脈栄養をやっていた大阪大学のグループが合体して「静脈経腸栄養研究会」というのができですね。それが学会になる時の初代理事長が千葉大から高知医大の教授になられた小越章平先生でした。小越先生は私が千葉大学を卒業して入局した頃にはもう千葉大にはおられず、すれ違いとなったのですが、小越先生は高知赴任後もよく千葉にいらしていたのですね。そのたびに「外科栄養グループ」にお誘いを受けていました。私が入局した時の第二外科は7つ研究室がありました。その中の一つに小越先生が作られた生化学研究室があって、ぜひそこで研究しようと熱心に誘われたのが発端です。実は、私、入局直後は竜先生の研究室に配属されたのです、でも、一番熱心に誘われた小越先生の研究室に進んだというのが正直なところです。振り返るとそれが良かったと思います。熱心に誘ったので、教える方も一生懸命教えてくれたからです。それが私の人生の中でも良かったことかなと思います。

外科から始まった栄養治療

そのころは、まだ外科栄養も黎明期で、中心静脈栄養が急速に広まった時期でもありました。学会に行くと、中心静脈栄養のセッションだけ満員で入れないくらいでした。縫合不全が、再手術しないで中心静脈栄養で治るという、画期的時代になった時でした。それは衝撃的でした。外科栄養は、治療という目的のために始まったのです。栄養の歴史をまとめた『すべては外科から始まった』という小越先生の本もあるくらいです。
それが、10年ぐらい経つと、感染など負の側面がクローズアップされて、中心静脈栄養法は少し下火になった。腸に物が入らないと腸粘膜が委縮し、自分の腸管内の細菌が腸粘膜に侵入して感染が起きやすくなることがわかってきた。それで、「食べる」とこも踏まえた接極的に腸を使う「経腸栄養」ということが急速に求められるようになりました。「楽しみながら治療」する、「食べて直す」というキャッチフレーズで語られるようになりました。結果的に、管理栄養士さんの活動の幅を広げることにもなりました。今まで厨房にしかいられなかった管理栄養士が、病棟に来るようになった。そして、チーム医療ができるようになった。

千葉県がんセンター副病院長の鍋谷先生

さらに 17、18年前に診療報酬で「栄養管理加算」が付くようになりました。それで、私は千葉大病院で栄養サポートチームを立ち上げる役目をいただきました。大変ではありましたが、そこで、少し手ごたえをつかみました。そして、私が千葉県がんセンターに赴任した年に、厚労省でも栄養サポートチーム加算をつけるということになりました。当時の病院長の中川原先生が加算をすぐに取りに行こうということになり、私が携わることとなりました。千葉県がんセンターが、がん専門病院としての栄養サポートチーム(NST)を早くから立ち上げて実績を作った。その頃のメディカルスタッフも優秀でしたので、非常に良いチームワークで、がん治療における栄養サポートの先頭を走ることができました。がん患者さんの栄養管理で、まずしっかり体調を整えてから治療するということと、治療中と治療後に「食べて治す」というコンセプトで取り組みました。その後、「食べて治す」から「おいしく食べる」に変わりまして、このコンセプトを10年以上も一貫して引き継いでいます。おかげで、千葉県がんセンターは、がん治療の栄養サポートという面で、先進的な施設として認知されていると思います。

竜:前は、栄養士も食事を作るだけで、医者と交流することもなかったですね。NST、栄養サポートチームが立ち上がって、看護師さんたちも入ってきて、栄養管理するだけでなくて患者さんたちのメンタルもかなり改善しますね。栄養の力というのは大きいと思います。もともと、千葉県がんセンターは栄養士さんたちが美味しい食事を作るということにすごくこだわっていました。その下地があるので、よそよりもうまくNSTが立ち上がったように思いますね。そのあたりはどうでしょうか。

患者さんの食べられない理由に応じて個別にメニューを考える

鍋谷:実際、千葉県がんセンターに来て、検食してみて、病院食が美味しいことにびっくりしました。患者さんの栄養状態が良くなると、治療のコンプライアンスが良くなることに気づきました。栄養状態を良くすると、患者さんが治療を継続することができる。栄養状態を上げる手段はいろいろあります。それこそ、輸液をつないで栄養状態を上げる方法だってある。それをさらに食べることで栄養状態を上げることができると、患者さんのメンタルが良くなる。心と体の両方がうまくいく。私たちが成功した大きな要因は、患者さんが食べられない理由を考えたことです。そして、それに応じて患者さんに個別の食事を作るということにこだわってきた。「個別化」と「美味しく食べたいにこたえたい」というキャッチフレーズは、ほかの施設に比べても優れていると思います。

竜:静脈栄養よりも経腸栄養が良く、胃瘻などからの経腸栄養よりも口から食べる方が良いということになりますか。

鍋谷:そうですね。その順番で、よりよい方向に患者さんをもっていくことが大事になります。

竜:手術で縫合不全を起こした時に、患者さんが生きるか死ぬかという状態になってしまうわけですね。その状態で食べさせると、消化液が縫合不全部に逆流して、なかなか治らないということで、消化液の流失の少ない「静脈栄養」主体の時代があった。でも、私の経験で、ひどい縫合不全になると胸腔に食事が逆流してくる、それを静脈栄養で何とかしようと思ったのですが、傷がちっとも治らないんです。そこで、イレウス管を入れて縫合不全の先1メートルまで管を入れ、そこから流動食を入れた。すると、注入した流動食は縫合不全部に逆流しないで、腸が良く動いて傷がぐんぐん治っていきました。その患者さん、最後には歩いて無事に退院されました。そんな経験があります。腸管に食事を入れたほうが、静脈栄養よりも傷の治りもいいのだと思った。患者さんのメンタルも違うんですよね。学会でも静脈栄養については捉え方が変わってきたということはありますか?

静脈栄養と経腸栄養の組み合わせによる最適な栄養治療

鍋谷:そこは誤解があるのですが、静脈栄養と経腸栄養のどちらかに限定するのではなく、組み合わせるというのが腕の見せどころです。きちんと食べられない人に腸を使って食べ物を入れるという方法ですが、今の時代、必要な栄養量についてはすぐに計算できます。それを全部腸から入れられない人もいます。引き算をして、残った腸から入れられない部分は静脈栄養で入れましょうということができる。科学的に組み合わせて、最適の栄養補給を行う。そこが腕の見せどころになります。でも、ほんのちょっとでも腸を使うと腸管の粘膜が萎縮してペラペラになるようなことがない。どのくらい腸管を使っていればいいかが、だんだん分かってきた。いろんなものを組み合わせて治療を進める。ちょっと食べて、あとは静脈栄養にするとか、組み合わせて必要な栄養を確実に体内に取り込むということを適切にできることが重要になってきている。

竜:食べないと腸の粘膜が萎縮して、感染も起きやすくなる。腸管の粘膜から菌が入ってくる。だから、腸に食べ物を入れないといけない。静脈栄養だけではダメということですね。最初は、使ってない腸管粘膜から感染がおこるということに気が付かなかった。でも静脈栄養も併用したほうが良い。

鍋谷:昔は、100%静脈栄養で栄養を取り込んでいたこともあった。でも、それではうまく行かないと、経腸栄養と併用した方が良いということが分かってきて、変わってきたわけです。

竜:患者さんに食べさせる工夫は何かされていますか。

鍋谷:それに関しては、うちはバリエーションが多くて、患者さんが訴えている症状にできるだけ合わせて、それをカバーできるような食事を提供しています。味覚が落ちている、敏感になっている、食欲が出ない理由は何か、患者さんの好き嫌いの嗜好などを把握します。今は、管理栄養士の病棟配置があるので、朝の看護師さんのミーティングにも栄養士が同席しています。患者さんの食べ物の好き嫌いなどの状況は、病棟担当の栄養士が把握し、調整しています。一番困るのは、化学療法をやっている患者さんです。化学療法をやっている患者さんに対しては、食事指導も厳密には医師が指示をして行うという方法にはなります。ですが、最近は、管理栄養士が食事指導を必要とする患者さんをスクリーニングして医師に提案するという方法をとっています。外来で化学療法をすると、数時間はかかり時間が長いので、その時間を使って栄養指導しています。嗜好を聞いて、家で食べるものについてもアドバイスできる。そんな事情もあって、管理栄養士の業務が非常に増えています。増員してほしいくらいです。

NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉の竜崇正理事長

竜:新しい取り組みですね。今や、栄養が足りなくて、治療ができないという患者さんはいないのですね。でも、すぐに手術できる人と、化学療法をやってから手術するという人、化学療法だけの患者さんもいますね。栄養面での取り扱いにも違いがありますか。
鍋谷:すぐに手術できる人というのは、口から食べられている方が多いので手術前に介入することは少ないです。ダンピングなど術後に起こる症状について、手術前に患者さんに事前に教えることがあります。手術後に患者さんに説明するよりも、術前にこれから起こることを説明して栄養指導しています。

手術前に行う栄養指導

竜:例えば、食道がんの場合などはどんな指導をしていますか?

鍋谷:食道がんの場合は、食べ始めると意外と食べられる方が多いです。胃全摘の方が体重減少が顕著なこともあります。食道がんの方には、手術時に、腸に栄養チューブを入れておき(腸瘻)、術後すぐに、腸に栄養剤を入れることができますので、すぐにそこまで痩せてしまうということはありません。

竜:十分に口から食べられない分を「腸瘻」で補うという考え方ですね。

鍋谷:胃全摘後は本当に痩せ方がひどい場合があるので、危険です。最近は、胃全摘の方にも、高齢の場合などには栄養のチューブを腸に入れて対応しています。3、4か月間、栄養チューブを付けるケースもあります。

竜:私の母親が胃がんで胃全摘でした。食べられなくて、本当に大変でした。食事の工夫などありますか。

噛むこと、飲み込むことができれば、「食べていけないもの」はない
口腔ケアも重要

鍋谷:今までの常識は必ずしもそうではないということも分かってきました。「分割食」という考え方がありましたが、今はできるだけ早い時期に3回食に戻すということをしています。あとは、「これ食べてはいけない」という指導法がありますけれども、それも今は「食べてはいけないものはない」、という考え方にしています。食べ方だけ気を付けてほしい、という教え方をしています。しっかり噛むことができれば、食べてはいけないものはないんです。その意味で、口の中がどうなっているか、口腔ケアが栄養管理以上に重要になってきています。

竜:手術前の口腔ケアですね。

鍋谷:歯がきちんとしているかどうか。歯を大事にしてほしいです。

竜:歯を大事にしておけば良かったと気が付くのは60歳、70歳になってからなんですけれどもね…。

鍋谷:歯がきちんとしていれば、噛めますので、食べてはいけないものはないです。

竜:流動食というのはありますか?

鍋谷:一回だけ流動食を出していますが、すぐにお粥になります。あまり段階食は設けず、五分がゆ程度ですかね。

竜:意外と流動食や五分粥はむせる。固形物の方がきちんと食べられることも多いように思いますね。

鍋谷:食道がんの術後も、飲み込む練習をゼリー等で行い、なめらか食を挟んで、その後すぐ五分粥になります。

食べることの刺激で吻合部を治すという発想

竜:でも、縫った部分が安定しないと、食べられないですよね。

鍋谷:今は、縫った部分が安定していなくても食べるように指導します。食べることの刺激で治っていくんです。胃がんの患者さんにも手術翌日から水を飲んでいただきますし、4日目からご飯も食べます。

竜:ガスが出なくても大丈夫なんですか。

鍋谷:ガスは出なくてもいいです。ガスの話はもう「論外」というくらい話が古いです。

竜:自分たちが手術してきた時代は、腸が動かないのに食事を入れたら、誤嚥性肺炎になると言われていましたよ。

鍋谷:食べて動かす時代です。時代が変わりました。

竜:術後、動かない時に食べさせると、誤嚥性肺炎になるから食べさせないという考え方で、昔はいたのですが、いかがですか。

鍋谷:誤嚥性肺炎防止は、食べる姿勢についてきちんと指導します。食べてすぐに寝ないとか。食べてから少し歩くとか。

竜:誤嚥性肺炎が嫌だから、食べさせないで胃瘻にして、ターミナル期をずっと過ごしている人もますね。

鍋谷:嚥下を指導するチームがあります。ST(言語療法士)や摂食嚥下の資格を持った看護師も入っています。歯科医師もおりますので、連携して取り組んでいます。誤嚥しないように食べられるよう指導しますが、なかなかできない方もいます。そういう場合には、誤嚥性肺炎になるかもしれないというリスクを示した上で、食べるか食べないかの選択肢を提示することもあります。

竜:昔のように誤嚥性肺炎を恐れて食べさせないということはほとんどなくなったということですね。

鍋谷:そうですね。誤嚥性肺炎になるかもしれないという状況でも、口から食べるという選択肢を出す場合もあります。

竜:それは、栄養サポートチームがきちんと見守っているから出来る選択肢ですね。「刻み食」といったものもありますか?

鍋谷:ありますよ。きざみ食も刻み方や刻むサイズにもこだわりがあります。お茶やお味噌汁に「とろみ剤」を入れますが、それをどのくらい入れて、どのくらいのとろみ付けにするか、いろいろと工夫があります。

在宅医療にも生かせるがんセンターの食事や栄養管理

竜:在宅の緩和医療に関しては、誤嚥性肺炎が怖いから、栄養管理については遅れていると思います。在宅のターミナル期も、できるだけおいしく食べて、生きるということができるようになるといいです。

鍋谷:在宅医療に関しては、開業医が管理栄養士を採用しているところも増えています。地方では往診に一緒に行って食事指導をしていたりします。

竜:私は浦安で在宅医療をやっていて、インターネットを使った多職種連携に取り組んでいた。今は、医師と看護師だけでなく、ほかの職種もどんどん加わるようになっていきますね。こうすれば、誤嚥性肺炎が防げる、食べられるようになるといったアイデアを拠点病院である千葉県がんセンターがアピールしていただけるといいですね。あとは、がん予防ですね。こういう食事をしたらがんになりにくいとか、そんな話を聞くこともあります。そのあたりの考え方はいかがですか。

鍋谷:がんになりにくい食事については研究している先生もおられます。ただ、世の中がEBM(エビデンスベースドメディスン)、科学的根拠に基づいた医療を求めています。提案されているがんになりにくい食事については、エビデンスがあるかないかと言われると、厳密には「ない」となります。予防にいいかもしれないけれども分からないわけです。

栄養疫学という考え方

鍋谷:2023年10月に開いた千葉県がんセンター県民公開セミナーでもご紹介しましたが、「栄養疫学」という分野があります。国立がんセンターなどで疫学調査をしています。食道がんは、緑黄色野菜や果物の摂取が少ない人がなりやすいという大規模な調査データがあります。そうなると、肉ばかり食べて野菜食べない人は食道がんになりやすいということになります。でも、これはほかのがんにも言えます。今、明らかに言われているのは、緑黄色野菜と塩分の量です。明らかにがんのなりやすさに関係があるといわれている要素です。緑黄色野菜や果物をたくさん食べる人はがんになりにくい。塩分については、昔保存食として塩分を多く使っていた時代に多かった胃がんが、保存に塩分を使わなくて良くなるにつれて明らかに減っている。食塩は望ましいのは男性8g/日、女性7g/日くらいと言われています。でも、それを守ろうとすると結構薄味になります。できればそれを守った方が良いと思います。がんだけでなくて、血圧とか腎臓にもやさしいわけですから。砂糖、糖質については、大規模調査のデータがありませんので、予防に役立つのかもしれないけれども、確かではないです。

竜:糖質制限はしたほうがいい、という意見もあるというレベルなのですね。

鍋谷:意見としてはあるけれども、科学的な証拠は乏しいということですね。それで完璧な予防はできないということになります。

がん患者さんのアフターケアもていねいに

竜:緑黄色野菜接種と塩分制限は、成人病の予防に良いということですね。私ががんセンターから離れて15年たちますが、ずいぶんと進歩しましたね。鍋谷先生は千葉県がんセンターの副病院長として、これからのがんセンターの目指すべきところはどういうところだと思いますか。

鍋谷:これから、がん患者さんは減ると思っています。病院のすみ分けを進めていきたいと思っています。この病院の立ち位置はどういうところにあるのか。先進的に急性期だけ取り組んで、あとは地域の病院でよろしくというスタイルが良いのかどうか、通用するのかを考えている。治療後のアフターケア、つながりを持った医療を考えていってもいいのではないかと思っています。これまでは、中心的な治療が終わったらすぐに地域の開業医の先生にお願いすることを最優先に考えてきた。紹介いただいた患者さんを逆紹介で戻すということを第一目標にしてきた。それをもう少しがんセンターでケアしてもいいのかなと。

竜:私が千葉県がんセンター長だったころは、徹底的に在院日数を減らして、開業医に戻す連携パスを強化してきた。でも、それだけでなく、もう少し長い期間入院して患者さんをケアしてもいいのかなということですね。それだけ、がん医療も進歩したということですね。

鍋谷:あとは心のケアといいますか、早く自宅に帰すことが本当に患者さんのメリットになるのかということも考えています。胃がんのクリニカルパスでは、手術後8日目に退院となっています。あくまでも外科医が見て、食事ができているから帰すという判断になるわけです。でも、実際は患者さんが数口しか食べられていないにも関わらず自宅に帰されるわけです。そこで、退院する日を9日目、10日目に延ばしてみた。伸ばした1、2日でも食事をするトレーニングができるわけです。患者さんの生の声を聞いて、いたずらに在院日数を短くすることが本当にいいのか検討しています。

竜:あとは、患者さんが自宅に帰っても、きめ細かい食事指導を受けられるとか、そういった地域との知見の共有も大事になってきますね。今日は貴重な話をお聞かせいただきありがとうございました。