「癒しの音楽療法」で心も体もリラックス―「糸」を公開しました。コロナ禍でも、改めて巡りあう“しあわせ”を感じる

巡りあわせ、運命を受け入れていく人生は、「しあわせ」です
ピアノとギターと優しい歌声で味わう『糸』
音楽療法で、ゆっくり聞きたい曲です

コロナ禍で、がん患者さんが病院などに集まってピアノやギターの演奏を直接聞く音楽療法の会も中止が続いています。そんな中でも音楽を届けたい、音楽の力を感じてほしいという思いで当NPO法人が始めた音楽療法の動画配信「癒しの音楽療法で心も体もリラックス」も、今回で3回目となります。今回は、千葉県がんセンターの集団音楽療法でおなじみの音楽療法士・長島律子さんのピアノと、同センター診療部長で緩和ケアセンター長の藤里正視先生によるギターと優しい歌声のコラボレーションでお届けする「糸」です。

「糸」はご存じの通り、中島みゆきさんの名曲中の名曲。今年は、この曲をモチーフにした映画も公開されており改めて注目されています。千葉県がんセンターの集団音楽療法では、患者さんやご家族からのリクエストも多く、テーマ曲の一つとして毎回演奏、歌われています。

ピアノとギターは別々に、リモートで収録
まさに縦の糸、横の糸で織りなす珠玉の作品

コロナの影響もあり、実は収録も長島さんと藤里先生が同じ場所で演奏していません。長島さんのピアノの音源をもとに、後日、藤里先生がギターと歌を重ねて仕上げています。でも、聞いていると全く違和感を感じることもなく、息ぴったりの演奏ですね。制作のストーリーを知ると、この曲「糸」だからこそできた技なのではないかと思えてきます。そして、編集・映像は、当NPO法人常任理事の麻生裕康さんが手掛けてくださいました。温かな家族の絆をテーマに、ライフステージが鮮やかに表現されています。

良いことも、悪いことも…全部受け入れて「しあわせ」に

YouTubeの動画を何度も再生して、ゆったりと聞いてみると、歌詞に込められた深い思いにも改めて気づかされます。歌詞の最後は「縦の糸はあなた 横の糸は私 逢うべき糸に出逢えることを 人は仕合わせと呼びます」です。音楽療法の会場で、患者さんと一緒にこの曲を歌った時には、治療を一緒に乗り越えているご夫婦、親子や家族、パートナーとの絆や愛情という意味合いを強く感じていました。でも、改めて聞いてみると、それだけではないのではないか…と思いました。自分が関わってきた幼いころの思い出や頑張ってきた仕事、良い時も悪い時もある社会情勢、そして患った病もすべて「縦の糸」なのではないかと。ここまで生きてきたこと、そのことを丸ごと受け入れ、肯定し、感謝する気持ちが満ちた時、人は「しあわせ」を感じるのかもしれません。会場でこの曲を歌う時、様々な想いがあふれて涙する患者さんも多いのですが、歌い終わった後にすがすがしい表情でいらっしゃる方も見かけます。きっと、いろいろなことを受け入れ、新たな気持ちの芽生えを感じながら歌われていたのではないかと思います。

コロナで、あっという間に世の中が変わってしまいました。この先どうなっていくのだろう…漠然とした不安はぬぐい切れません。でも、この特別な年だからこそ、周りの人の優しさや強さ、支え合うことの喜びを感じることができた方も多いのではないでしょうか。「糸」を聞きながら、少しでも「しあわせ」を感じるきっかけになればいいなと思います。