【ステイin千葉を楽しもう!】第14回 秋の香取神宮で、紅葉の色彩コントラストを楽しむ。コロナ禍でも季節の移ろいを丁寧に感じ取る旅
関東屈指のパワースポットとして知られる香取神宮。JR成田線の佐原駅からタクシーで10分ほどのところにあります。全国に400社あるという香取神社の総本社として、初詣をはじめ一年を通して遠方からも多くの参拝客が訪れます。日本書紀にも描かれている武術の神様「経津主大神(ふつぬしのおおかみ)」をまつっています。大鳥居から参道、総門、楼門、本殿へと境内を巡るコースもそれぞれ風情があり、包み込まれるような優しさを感じる神社です。今回は、秋の香取神宮で、紅葉や花の鮮やかな色合いと色彩コントラストを写真家・飯田隆志さんの写真とともにご紹介します。
第14回 香取神宮
紅葉シーズンを“先撮り”
緑と黄色と赤のコントラストをとらえる
唐突に話を始めますが、実は私二十歳ぐらいの頃から佐原の香取神宮に一目惚れしてよく行くんですよ。それは初詣だったり、近くまで来たからとふらっとお参りしたり…。当然ながら撮影目的でも行きます。今回は目的を持っての撮影行の紹介です。
香取神宮の参道には大小新旧様々な灯籠が立ち並び、それを囲うように様々な樹々が繁っています。見ているとモミジが多いようで春先から青々として涼しげな空間を作り出しています。もう皆さんお気づきかと思いますが、モミジと言えば紅葉(これでモミジとも読むからややこしい)。そう、紅葉シーズン真っ盛りとなれば参道が紅く染まってさぞ綺麗だろう。でも、そのシーズンに行ったことないなぁと思い、今回の撮影に挑みました!
例年通りなら、房総方面では12月初旬が紅葉のピーク。11月後半であれば一面真っ赤とはならなくともそこそこ見応えあるのではないかなとの予想と、師走は何かと忙しく撮影に出られそうにないということなど諸々を考えて、撮影は勤労感謝の日と決めました。
迎えた当日、午前中は予定が入ってしまい午後に出発、現地着いたのがなんと15時でした。写真撮るのは後にしてまずはお詣りをすることにしました。鳥居が見えてきた辺りからイヤーな予感あり…的中してしまいました。
イチョウは見事に黄色くなっているのですが、「赤色」が見当たりません。「こりゃ時期が早すぎた」と思いましたが後の祭り。後悔先に立たず!
気が重くなりつつも、総門に近づくとちらほら「赤い」のが見えてきました。そしてコロナ禍の中で、しかもそろそろ夕方なのになんか人出が多いな…と疑問に思いながら総門をくぐりました。すると、楼門前までの間にテントみたいなのが立ち並んでいます。なんと菊花展が行われていたようで、ついでに新嘗祭だったようです。通りで人出が多いわけだ…。
お詣りを済ませたら、撮影です。先ずは楼門の周りから。
朱塗りの楼門には、若い紅葉が良く似合う
楼門内側にある紅葉した木と朱塗りの楼門の組み合わせがよく合います。紅葉していない葉がいいアクセントになっていました。
そして楼門を出て振り仰ぐと立派なモミジが色付いていました。真っ赤にはまだ早いけど、これはこれでいい感じです。
光の当たり方で異なる紅葉の色合い
総門近くのモミジを向きを180度変えながら撮影。背景が違うのと光の当たり方でこうも印象が違うんですね。
イチョウの黄色いじゅうたん
総門を降りたところの車祓所にある大きなイチョウの木が見事でした。隣にあったもみじも挿し色としていい感じです。足元ではイチョウの落ち葉がまるで絨毯のよう。これも目の高さで見たのと、這いつくばって見たのとでは、かなり印象が違います。
灯籠をぼかして背景に入れる
その後、山道を降りながら色付いてるモミジを見つけては撮りを繰り返していきます。背景に灯籠をぼかしながら入れて神社の趣を出して撮ったり、逆光で色とりどりな葉が入り混じっているように撮ったり…。
途中、見上げてみたら樹々の間に真っ赤な葉に光があったていて綺麗でした!
駐車場に戻って空を見ると、夕焼けにはちょっと早いけど見事な夕空。それを今回の締めとして撮影し、帰路につきました。