2019.12.26 音楽の力で「ありがとう」を伝えよう。がんセンターで年末音楽療法音楽会

いのちの理由、いのちの歌…生きていることへの感謝を伝える
音楽療法で患者さんも、家族も、医療スタッフも一緒に

がん患者さんとご家族を対象とする集団音楽療法の音楽会は、12月26日(木)午後、千葉県がんセンターのテレビ会議室にて開かれました。外来、入院の患者さん、ご家族、医師、看護師などの医療者が集い、なじみの曲や冬をテーマにした曲などの演奏を聴きながら、一年間の疲れを癒しながら、治療に向かう英気を養いました。

司会・進行は、看護局の中澤裕子さんと治験コーディネーターの佐藤昭子さんが務め、語りかけるような口調で、会場を優しく包み込みました。

集団音楽療法藤里先生

オープニングは、千葉県がんセンター診療部長の藤里正視先生によるギターと歌「いのちの理由」(さだまさし)です。恒例となったこの集団音楽会のテーマソングでもあります。生まれてきたこと、その意味に想いを寄せ、たくさんの人と関わり合うなかで今の自分があることを改めて認識する。人生を歩む中で、辛いこと、悲しいことがあっても、いつかきっとそれを包み込んでくれる喜びや優しさが待っているという内容の歌詞です。

「いのち」をテーマに、「いのちの歌」(竹内まりあ)「Birthdey」(さだまさし)も披露。ギターの弾き語りで、生まれ、生きて来られたことへの感謝の気持ち、家族や大切な人へのありがとうの気持ちを歌あげました。身近な家族ほど、感謝の気持ちは伝えにくいもの。治療の疲れやしんどさから、家族にはその辛さをストレートに吐露しがちです。音楽の力を借りて、さりげなくありがとうを伝える方法もあるんだよというメッセージが伝わってきました。

バイオリンと歌

 

第二部では、バイオリンの演奏です。臨床心理士の石田彩子さんによる演奏で、「主よ、人の望みの喜びよ」、「You Raise Me Up」「G線上のアリア」が披露されました。病院でバイオリンの生演奏を聴く機会は珍しく、目の前で繰り出される迫力あるバイオリンの音色に会場も静まり返っていました。呼吸器外科医師の松井由紀子先生の歌も加わり、ぬくもりあふれる時間となりました。

三味線、ピアノの独奏も

今度は洋風から和風にがらりとイメージを変えて三味線演奏です。緩和医療科部長の坂下美彦先生による三味線と語りも恒例です。津軽じょんがら節の伴奏曲など、動きの速い指使いも難なくこなしながら日本が誇れる伝統の音色を響かせました。民謡が好きという患者さんも多く、会場が華やぎました。

ピアノ独奏の指使いを液晶画面でクローズアップ

そして、クライマックスは治験コーディネーターの葛馬佳明さんによるピアノ演奏です。今回は、参加者のご希望にこたえて、液晶画面とカメラを準備し、鍵盤上の指をアップで映し出す装置も準備。ドビュッシーの「月の光」、続いてロベルト・シューマンの「献呈」と二曲を演奏しました。シューマンが妻クララに捧げたというエピソードが残る「献呈」は、技術的にも難しい曲です。スクリーンに映し出される指の動きは超絶技巧で圧倒的でした。一方で、耳に届く音色は華やかでありながら、とても優しく、参加者全員がロマンティックなムードにうっとりと酔いしれているようでした。

みんなで歌い、元気になる!

第三部は、会場の参加者と一緒に大いに歌おうという趣旨で、なじみのポップスや懐かしい曲が次々と登場し、歌声も響きました。
ドリームズカムトゥルーの「何度でも」、坂本九の「上を向いて歩こう」「見上げてごらん夜の星を」など、勇気をもらえる歌、懐かしい歌を一緒に歌いあげました。

参加した患者さんからは、「大好きな曲ばかりで、本当に楽しいひとときを過ごせました」、「診察室で対面する先生とはまた違った一面を見ることができてより親近感を覚えた」などの声が聴かれました。

みんなで合唱

みんなで合唱も。前方の液晶画面では、ピアノ演奏の指使いが映し出されました。