【ステイin千葉も楽しもう♪】千葉市美術館で絵本の世界に没入。先が見えない不安も恐れも楽しみに変える力みなぎる。荒井良二ワールドで自由に大胆に。

千葉市美術館で2023年10月4日から「new born荒井良二・いつも しらないところへ たびするきぶんだった」が開催されています。私たちの中では、絵本作家としての荒井良二さんの印象が強いのですが、舞台やテレビ番組、芸術祭の美術、監督としても活躍されています。荒井さんの絵本は、図書館でも本屋さんでも一度手に取ると手放せなくなる力を持っています。色使い、描かれている人の表情、そして題字までもが独特の世界観でもって眼に、頭に、心に飛び込んできます。そんな荒井さんワールドをたっぷり味わえる展示が千葉にやってきました。大西眞澄さん(NPO法人医療・福祉ネットワーク千葉常任理事)の写真とエッセイでお送りします。

「new born 荒井良二 いつもしらないところへ たびするきぶんだった」
2023年10月4日(水)~12月17日(日)
千葉市美術館

new born 荒井良二

さっそく訪れてみました。絵本作家であることくらいしか知らなかったのですが、8Fの展示会場を入ると徐々に荒井良二氏の不思議な世界に入り込んでいくような錯覚をおぼえ、7Fの会場を出るときは約2時間以上 彷徨していました。

「きょうはそらにまるいつき」原画の展示

絵本の世界から徐々に荒井ワールドに踏み入り、心をわしづかみにされていくようでした。「きょうはそらにまるいつき」の絵本の原画がすべて展示され、その筆致や色使いを間近で見ることが出来ました。その他の著作原画やこれまで手掛けた絵本を全て見ることが出来ます。

展示枠には荒井さんのメッセージ

「みちのおく芸術祭山形ビエンナーレ」のインスタレーションを再構築した展示もあり、何度も周回しました。

千葉市美術館での展示に合わせた作品「千葉書」

7F入口にある、今回の展示に合わせた<千葉書>という作品。千・葉書、1,000(たくさん、いっぱい)の葉書をまだ会ったことのない「きみ」に送るというコンセプト、その発想が素敵!です。こんなに素敵な葉書、メッセージを描けたらどんなにいいだろう…。

作品の下に小さな字で書かれている言葉です。
「New born 千・葉書き 1000(たくさん、いっぱい)の葉書を まだ会ったことのない「きみ」に送っているんです。千葉から「きみ」へ。 言葉ではない千葉を。 もっともっと1000以上もある伝えたいことのイメージで描いてみました。 みなさんも頭の中で 千の葉っぱに絵や字を描いて 世界へ届くように考えてもらえたらうれしいです。 Arai Ryoji」

新作もたっぷり

新作のインスタレーションもたくさん公開されています。

new born 旅する名前のない家たちを 僕たちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲みだす

荒井良二ワールドは、私たちの原点を思い出させ、挑戦したい気持ちをも刺激します。そして、人生の旅を続けるエネルギーがみなぎってきます。荒井さんの作品には、そんな私たちの底力を呼び覚ます力があるように思います。ぜひご覧になってみてください。

Information

千葉市美術館

企画展「new born 荒井良二 しらないところへ たびするきぶんだった」
2023年10月4日(水)~12月17日(日)
期間中は、学芸員によるギャラリートークや作品解説会などが企画されています。詳細はホームページをご覧ください。