【ステイin千葉】第13回 進化を続ける千葉市美術館。千葉ゆかりの田中一村展、傑作「アダンの海辺」に至るまでの生涯をたどる作品群に圧倒 

昨年7月にリニューアルオープンした千葉市美術館。装いが新しくなっただけでなく、企画・収蔵品もどんどんアップデートされています。今回は、開館25周年記念としても開催中の千葉ゆかりの画家・田中一村の展覧会「田中一村展—千葉市美術館収蔵全作品」をご紹介します。2010年に同美術館で開催し、大きな反響のあった田中一村展。今回は、一村が生活していた、美術館からもほど近い千葉寺での暮らしぶりをうかがわせる風景絵もあり、より身近な存在として感じることができるのが特徴です。

田中一村展のほかにも、世界絵本原画展、新しい生活様式に沿ったこれからの美術館の在り方を示唆する「デジタルミュージアム」と盛だくさん。そんな見どころいっぱいの千葉市美術館の様子を当NPO法人の常任理事・元千葉県がんセンター看護局長の大西眞澄さんによるエッセイと写真を見ながら、一緒に歩いてみましょう。

第13回 天才画家・田中一村の生き様を鮮明に
栃木、東京、千葉、そして奄美へ。絵筆に込められた紆余曲折の人生
緊急事態宣言中…「短縮・制限」でも、“アート・マインド”は全開
千葉市美術館

千葉市美術館は、身近な場所にありたびたび訪れています。緊急事態宣言に伴い、開館時間の短縮や混雑状況に応じた入場制限、またイベントの中止などしていますが、今回も見どころいっぱいでした。一番の目的は、開館25周年記念企画の「田中一村展」(7階)の『アダンの海辺』。奄美の海辺の風景を描いた傑作です。展示ホールの壁一面中央にこの一点のみ贅沢に掛けられていました。改めて作品を間近に見ながら、長い時間立ち尽くす来場者も多く見られました。生前の一村を支援した川村家から美術館に寄贈された川村コレクションも一堂に展示されており、一村の千葉在住時の作品も多く、とても身近に感じました。

絵本原画の世界も堪能
見飽きない趣向凝らした作品も

ワンフロア上では、「ブラチスラバ世界絵本原画展」(8階)が開催されており、魅力満載でした。日本との交流100年を迎えたチェコ、スロバキアの絵本原画をはじめ、世界各国の絵本作家による原画、地域文化を盛り込んだ物語の数々に引き込まれました。日本の作家による特集展示の『ザ・キャビンカンパニー』の前では、なかなか立ち去れませんでした。

ブラチスラバ世界絵本原画展チラシ

毎回訪れる千葉市美術館のコレクション展示
牛、松竹梅、椿…新春、冬のモチーフで季節を彩る作品

次は、5階の常設展示室へ。千葉市美術館が誇るコレクションを堪能してきました。(ここでは、撮影OKの画もたくさんあり、少しご紹介します)「めでたい尽くし」の画シリーズで、丑年にちなんだ牛、富士山、松竹梅をモチーフにした作品がありました。1月8日に行った時のものです。

(↓下の絵の写真をクリックすると大きく拡大して見ることができますのでお試しください。)

続いて、2月6日に行った時のものです。「特集 諏訪直樹」の『無限連鎖する絵画PART3 No32-50』は、19枚のパネルが部屋の3面に、その迫力に圧倒されました。

ニューノーマルに対応のデジタルミュージアム
浮世絵と遊ぶコーナーも
かわいいロボットがご案内

さて、次は1階のさや堂ホール。「千葉市デジタルミュージアム Digital × 浮世絵」が開催されていました。“ICTによる人を介さない運営”と表して、ロボットによる説明や、会話ができる場でした。

ご案内係のロボット達。ハッピ姿でおしゃべりも上手。

納涼美人図(喜多川歌麿)

相馬の古内裏(歌川国芳)

浮世絵の作品を自在に拡大して見ることもできます。髪の毛の一本一本まで筆遣いをじっくり観察。

浮世絵の風景に自分も入り込み、一緒に遊ぶコーナーも。

田中一村展—千葉市美術館収蔵全作品、ブラチスラバ世界絵本原画展、デジタルミュージアム「Digital×浮世絵」とも2月28日(日)まで。ぜひ、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

千葉市美術館 公式サイト