【連載・チーバくんのがん情報局】⑨千葉県がんセンターpart5 がん体験者が相談員に。病院内の相談支援センターでピアカウンセリング

がん対策基本法施行記念
連載・チーバくんのがん情報局
⑨千葉県がんセンターpart5
相談支援センターのピアカウンセリング、がん体験者が親身に相談

チーバくん:千葉県がんセンターでもう1カ所気になっているところがあるんだ。刷りガラスで仕切られた電話ボックスみたいなブースを見かけたんだ。「ほっとステーション」って書いてあるよ。さっきは扉が閉まっていて様子が分からなかったんだけど、今、開いているみたいだからちょっと寄ってみようかな。トントン、こんにちは!

ピアカウンセラーの齋藤さん

ピアカウンセラーの齋藤としこさん:どうぞ、中にお入りください。ピアカウンセラーを担当している齋藤です。

 

チーバくん:とっても優しそうな方が笑顔で迎えてくれたよ。なんだか、ほっとした気持ちになってきたね~。ここはどんなことをする場所ですか?

齋藤さん:がん患者さんやご家族の方の悩みに耳を傾ける相談コーナーですよ。私はピアカウンセラーといって、患者さんと同じがん体験者の立場で患者さん方に接しています。

チーバくん:がん体験者…。齋藤さんもがん患者さんだったんですか?

患者さんが気持ちを吐き出せる場所にしたい

齋藤さん:そうなんですよ。ここでは今、二人のがん体験者がカウンセラーとなって相談にあたっています。病気や死への不安、治療や薬の情報、家族として患者さんにどう接していいのか…など、どんなことでもいいので、患者さんやご家族が自分の気持ちを吐き出せる場所にしたいと思っています。

チーバくん:そうなんですね。齋藤さんはどうしてピアカウンセラーになろうと思われたのですか?

齋藤さん:私は25年ほど前に乳がんを患いました。当時は、まだまだ情報も少ないし、がんにどう向き合ったらいいかも分からず、飲んでいる薬のことも良く分からなくて私自身とっても不安な治療の日々を送っていました。そんな時にね、「あけぼの会」という乳がん患者さんの会に参加したんです。そこで、ほかの患者さんの話を聞いたり、自分の病気のことをほかの方に聞いてもらったことで、ずいぶんと楽になった経験があるの。自分の病状のことはもちろん、その時、私にはまだ子育て中の子供が3人いたので家族のこともとても心配でした。でも、患者さん同士の会話や会の活動を続けることで、私自身「がんに負けない」という思いも強くなってきて、何より気持ちが元気になりました。その体験が、今度は自分がピアカウンセラーとして、今がんと闘っている患者さんを少しでも楽に、元気にして差し上げたいという思いにつながったんですよ。

チーバくん:不安を仲間と共有することで元気になる、そのことをご自身が実感されたのですね。